1992 Fiscal Year Annual Research Report
不整形地盤における強震動特性とその構造物に対する破壊効果に関する研究
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03650452
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渋谷 純一 東北大学, 工学部, 助教授 (70005461)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遊佐 正樹 東北大学, 工学部, 教務職員
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Keywords | 不整形地盤 / 地震動 / 表面波 / 地震動予測 / 土の非線形性 / 有限要素法 / スペクトル比 / 空間変動 |
Research Abstract |
1.堆積盆地における地震動の表面波振幅 浅い堆積盆地地形のモデルを用いて、下方からのSH波入射に対する地表各点の周波数応答を計算し、これより盆地端部で発生する表面波の振幅を評価する手法を提案した。この手法を用いて、堆積盆地の地盤、地形及び入射波の条件をパラメータとした場合の表面波振幅に及ぼす影響を検討した。結果を以下に要約する。表面波の振幅は表層と基盤層のS波速度比に強く依存し、表層のS波速度比が小さいほど大きくなる。盆地端部の地形の傾斜角は発生する表面波の振幅には殆ど影響を与えない。斜め入射の場合、入射角が大きくなるほど、表面波振幅は大きくなる。 2.足柄平野堆積盆地における地震動の予測解析 足柄平野の堆積盆地を対象として、地盤の非線形性を考慮した強震動の予測解析を行ない、観測結果との比較検討を行なった。軟弱堆積層を非線形有限要素、基盤層との境界を等価なダッシュポット支持でモデル化した。非線形解析の結果は最大加速度、応答スペクトルとも観測結果とよく合うこと、地表で0.1G程度の地震動でも地盤は顕著な非線形性を示すこと、非線形性を考慮した解析では2次元的な地形の効果は大きくならないこと等を明らかにした。 3.不整形地盤における地震動観測 東北大学青葉山地区の岩盤中、丘陵頂部のローム層地表、麓部の沖積層地表で観測された多数の記録を用い、岩盤の記録に対する地表の記録の応答スペクトル比について検討を行なった。地表の応答スペクトル比は、平均的にはサイトの地盤条件を強く反映した固有の形状を示すが、地震によるばらつきも大きい。今後、これらの記録を利用して、地震動の空間変動ついて検討を行なう予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] J.Shibuya: "Prediction of Earthquake Ground Motion at Ashigara Valley using a Nonlinear Finite Element Ground Model." Proc. Int. Symposium on the Effect of Surface Geology on Seismic Motion.II. 135-136 (1992)
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[Publications] 菅野 久美: "足柄平野における非線形性を考慮した地震動予測解析" 日本建築学会東北支部研究報告集. 55. 205-208 (1992)
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[Publications] J.Shibuya: "Amplitudes of Surface Waves in Ground Motion on Alluvial Basin." Proc. 10th World Conference on Earthquake Engineering. 2. 629-634 (1992)
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[Publications] 菅野 久美: "足柄平野における非線形有限要素法を用いた地震動予測" 日本建築学会大会学術講演梗概集. B. 399-400 (1992)
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[Publications] 遊佐 正樹: "強震観測に基づく地盤と地動性状の関係" 第11回、日本自然災害学会学術講演会要旨集. 20-21 (1992)