1992 Fiscal Year Annual Research Report
弱パネル型角形鋼管柱・はり接合部の復元力特性に関する研究
Project/Area Number |
03650470
|
Research Institution | Hiroshima Institute of Technology |
Principal Investigator |
椋代 仁朗 広島工業大学, 工学部, 教授 (40034293)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高松 隆夫 広島工業大学, 工学部, 助教授 (10125148)
|
Keywords | 角形鋼管柱・H形鋼はり接合部 / 十字形部分架構試験体 / 弱パネル型柱はり接合部 / 繰返し載荷実験 / 合成ばり / 復元力特性 / 移動硬化則 / 吸収エネルギー |
Research Abstract |
昨年度において弱パネル型角形鋼管柱・H形鋼はり接合部の復元力特性を評価するために、十字形部分架構試験体の単調載荷実験を行った。接合部パネル周辺枠組の復元力特性のみを評価する目的で、角形鋼管柱の接合部パネルを除去した十字形試験体についても併せて載荷実験を行い弱パネル型柱はり接合部の復元力特性が接合部パネルとパネル周辺枠組の復元力特性の和で求められることを示した。本年度においては繰返し載荷を受ける柱はり接合部の復元刀特性を評価するために、昨年度と同じ寸法を有する試験体の繰返し載荷実験を行った。また、柱軸力が柱はり接合部に及ぼす影響を調べるために、降伏軸力の20%の定軸力下における繰返し載荷実験を行った。更に、合成ばりを有する試験体についても繰返し実験を行った。以上の実験結果より次のようなことが明らかになった。1)繰返し載荷を受ける弱パネル型柱はり接合部の復元力特性は単調載荷時のものに移動硬化則を適用して求めた履歴曲線で大略抗定できる。2)弱パネル型柱はり接合部を有する試験体においては、骨組の全エネルギー吸収量のうち大部分を柱はり接合部が分担するので、骨組の荷重変形関係は柱はり接合部のみに弾塑性復元力特性を適用すればほぼ予測できる。3)軸力比0.2の柱軸力を受ける柱はり接合部の復元力特性は柱軸力のないものとほぼ同一の傾向を示した。4)合成ばり試験体の柱はり接合部の耐力は、純鉄骨ばりのものに比べて10〜30%程度上昇する。5)合成ばり試験体の柱はり接合部の吸収エネルギー分担率は、パネル耐力比0.6の場合には、純鉄骨ばりのものとほぼ同等の値となったが、パネル耐力比1.0の場合には、純鉄骨ばりのものより高い値となった。6)はりウェブのスカラップの存在に起因するはりフランジの破断はいずれの試験体にも起こらなかった。今後、パネル周辺枠組の復元力特性についての解析的研究を行う予定である。
|
Research Products
(1 results)