1992 Fiscal Year Annual Research Report
昼光照明が視的快適性に及ぼす影響に関する基礎的研究
Project/Area Number |
03650479
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Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
宿谷 昌則 武蔵工業大学, 工学部, 助教授 (20179021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 建一 早稲田大学, 理工学部, 教授 (50063558)
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Keywords | 昼光 / グレア感スケール / 実験式 / 数値計算 |
Research Abstract |
室内光環境の質を損なうことなく、窓を透過した昼光を室内の照明に利用できるようにするためには、窓面から得られる昼光がグレア感(まぶしさ感)や明るさ感にどのような影響を及ぼすかを明らかにしておく必要がある。本研究では、前年度に窓面を透過した昼光による在室者のグレア感を取り上げ、あるグレア感に対してそれを不満とする在室者の割合はどれほどか、また、グレア感が各種光学的物理量とどのような関係にあるかについて実験を中心に検討を行なった。本年度は、前年度の実験結果と若干の追加実験の結果から、グレア感の実験式を求めることを試みた。それによると、グレア感(0がまぶしさを感じ始める、3がひどすぎると感じ始めるに対応する)は、グレア光源の輝度の対数に比例し、グレア光源の大きさには反比例する。また、グレア感は背景輝度の対数とは比例もしくは反比例の関係にある。グレア感が背景輝度の対数に対して比例となるか、反比例となるかは、グレア光源の大きさが影響することが示された。この実験式のグレア感シミュレーションへの適用性を検討するために、間口8m、奥行き8m、天井高2.6mの一般的事務室で、窓が一つの場合、二つの場合などを対象にグレア感の数値計算を試みた。その結果、サンスクリーンはベネシャンブラインドに比べてグレア感を起こさせ易いこと、太陽高度の低い冬季にグレア感が大きくなる傾向にあること等が定量的に表わせることが示された。また、日除けがない場合には、床に入射した直射日光がグレア光源となる可能性があるので、そのグレア感シミュレーションにおける考慮方法について検討を行い、その可能性が示された。
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