1992 Fiscal Year Annual Research Report
都市高令者における余暇生活の多層化と多世代交流型施設の計画に関する研究
Project/Area Number |
03650495
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
上和田 茂 九州産業大学, 工学部, 助教授 (70122596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
船越 正啓 九州産業大学, 工学部, 助手 (70181435)
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Keywords | 高令者 / 余暇活動 / 高令者サロン / 都心 |
Research Abstract |
前年度は都心商業地区における高令者の散策的余暇活動について、その時間的・空間的な活動構造の解明を行った。今年度は、この分析結果を基礎に、都心における高令者の活動を支援する施設として「高令者サロン」を構想し、その必要性と施設内容のイメージについて考察を行った。都心を来訪する常連の高令者、男女113名へのアンケートによると、都心商業地区に設けて欲しい施設として、「落着いて休憩できる場所(54.0%)」「安くて美味しい食事や喫茶ができる所(38.9%)」「無料で映画や展覧会が鑑賞できる所(24.8%)」「友人どうしで気軽におしゃべりできる所(21.2%)」「催し物などの情報を提供してくれる所(16.8%)」などが挙げられた。この結果に基づき、次のような内容をもつ高令者サロンを提案した。その位置は公共交通機関のターミナルあるいは人がよく集まる情報ビルやデパートに近接した場所。施設内容としては、休憩スペース、談話スペース、インフォメーションコーナーを最低限のコア空間として、さらに可能であれば、健康問題や家庭問題についての相談カウンターと関連書籍・文献の閲覧コーナー、高令者向きの安価で健康的な食事が提供される食事・喫茶コーナー、囲碁・将棋などの娯楽コーナーが付設されることが望ましい。ただし、高令者サロンは、その場で何でもできるといったオールマイティの施設ではなく、そこを拠点として地区内の諸施設を活用するための中継点的な施設として位置づけられる。そして、高令者の優先利用とはいえ、一般層や若者にも開放し、お互いの接触と交流ができるように配慮する。そのためにも、オープンな運営と開放的な施設構造が求められる。要は老人臭いたまり場ではなく、明るく開かれた交流の場にすることが望まれる。
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[Publications] 上和田 茂,青木 正夫,船越 正啓,宮崎 勲: "脱地域型高令者の都心商業地区における散策的余暇活動その1ー高令化社会に対応した余暇活動施設の再編成に関する研究第1報ー" 日本建築学会大会学術講演梗概集. 571-572 (1992)
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[Publications] 宮崎 勲,青木 正夫,上和田 茂,船越 正啓: "脱地域型高令者の都心商業地区における散策的余暇活動その2ー高令化社会に対応した余暇活動施設の再編成に関する研究第1報ー" 日本建築学会大会学術講演梗概集. 573-574 (1992)
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[Publications] 上和田 茂,青木 正夫,船越 正啓: "高令化社会に対応した余暇活動施設に関する研究" 日本建築学会・地域施設計画研究11. (1993)