1991 Fiscal Year Annual Research Report
鋳鉄ファイバ-ボンドダイヤモンド砥石の研削・耐食性能への高温高圧処理効果
Project/Area Number |
03650545
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Research Institution | Suzuka National College of Technology |
Principal Investigator |
国枝 義彦 鈴鹿工業高等専門学校, 材料工学科, 助教授 (80043313)
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Keywords | 鋳鉄ファイバ- / ダイヤモンド砥石 / HIP処理 |
Research Abstract |
近年、セラミックスの製造技術が向上するに従って、より高性能な仕上加工技術が要求されるようになった。ダイヤモンド砥石において、結合剤の適否は研削能率、研削比の優劣や工作物の形状精度に影響を及ぼし砥石製作上の重要な問題である。鋳鉄を結合剤として硬脆材料の研削及び研磨に適した鋳鉄ボンドダイヤモンド砥石が開発され、従来のメタルボンドダイヤモンド砥石が大きく改善されてきている。本研究においては、鋳鉄ボンドとして従来の鋳鉄粉の代わりに鋳鉄ファイバ-を用い、そして、ファイバ-の形状効果によるダイヤモンドの脱落防止の効果を窒化ケイ素の研削試験とSEMによる表面観察により評価した。さらに、鋳鉄ファイバ-ボンドダイヤモンド砥石を鉛浴を用い高温高圧(HIP)処理することによって、より一段と優れた研削性能と耐腐食性を具備した砥石を開発することを目的とした。鋳鉄ファイバ-としてFCD500の直径30μmと10μmで長さ2mm、1mm、0.5mmと形状の異なったファイバ-の5種類と粉末鋳鉄を用いた。金形成形したこれらのファイバ-ボンドダイヤモンド砥石(140/170メッシュのダイヤモンドで集中度50、90および120)を真空焼結し、これらの研削性能について窒化ケイ素セラミックスを研削することによって調べた結果、ダイヤモンド粒子の脱落および研磨性能向上への要因は、密度、ファイバ-形状、ファイバ-と粉末との混合率など様々なファクタ-が関連していたが、研磨性能は主にダイヤモンド砥石の密度に大きく依存し、密度の上昇とともに増加した。またファイバ-鋳鉄を用いるとそのネット効果によって、ダイヤモンドの脱落を改善できることがSEMによる表面観察からも明らかとなった。さらに鉛浴中で鋳鉄ファイバ-ダイヤモンド砥石を150MPaでHIP処理を行ったところ、ファイバ-砥石の密度を大きくすることができ、研磨性能や耐腐食性を向上させることができることも明らかとなった。
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