1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03650548
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
池田 圭介 東北大学, 工学部, 教授 (40005921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 圭央 東北大学, 工学部, 助手 (00218190)
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Keywords | CuーNb合金 / せん維強化 / 強化機構 / 比抵抗 / 残留抵抗比 |
Research Abstract |
非消耗式ア-ク溶解で作製したCuー10,15,20at%NbおよびCaOルツボを用いた高周波溶解で作製したCuー20at%Nbの4種類の合金を加工度R=2×10^4(歪量してε=10)まで冷間加工し、その後の熱処理に伴う強度、比抵抗変化について検討を行なった。 いずれの合金も、低加工度においては複合則に従った強度の増加を示すものの、εが4〜5のあたりから複合則からはずれた強度の急激な上昇を示し、20at%Nbではε=10で1600MPaを越す引張強度が得られた。Nb含有量の減少につれて到達強度は減少したが、20at%Nbと15at%Nbでの差は小さかった。鋳造組識は、いずれの場合もCuマトリックス中に平均直径が約4μm弱の円形断面のNbデンドライトが微細に分散した形であり、加工が進むにつれて伸線方向にNbが繊維状に配列するようになると同時に、Nb繊維は円形断面から扁平な断面形状へと変化した。強度の上昇とNb繊維の扁平化が起こる加工度はほぼ対応している。加工度の上昇に伴うNb繊維の断面減少量は、全体としての断面減少より小さく、明らかにCuマトリックスの変形量が多いことを意味し、高強度に到達するのに大加工度を必要とする主要原因となつている。熱処理による強度、比抵抗変化をみると、200℃まではCu中の固溶Nbの析出に起因して若干の強度の上昇が認められ、温度の上昇につれ700℃まで単調に減少していく。強度の減少は、Cuマトリックスの再結晶軟化よりもNb繊維の合体の効果に強く依存している。比抵抗は温度の上昇とともに減少するが、減少の開始温度はNb量に依存し、Nb量が少ないほど低温から減少し始める。熱処理による比抵抗の減少の程度は線材の加工度に依存しており、加工度が高い線材は比抵抗が高い。Nb繊維界面での電子散乱の比抵抗への寄加工度とともに大きくなるためと考えられ、低温で比抵抗測定からも裏付けられた。
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Research Products
(1 results)