1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03650548
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
池田 圭介 東北大学, 工学部, 教授 (40005921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 圭央 東北大学, 工学部, 助手 (00218190)
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Keywords | Cu-Nb合金 / 機械的性質 / 電気伝導度 / 残留抵抗比 / HIP |
Research Abstract |
アーク溶解にてCu-10,20,15wt%Nbの3種類の合金を溶製し,冷間鍛造後,0.1mm(断面減少率:2×10^4)までの伸線を行なった。一部は2.7mmまでの伸線を行ない,37本を銅シースに詰めて1173K,102MPaの条件にてHZP処理を行なった。伸線材の強度は、ひずみ量εが6以下では複合則に近い値を示したが,それ以上のひずみ量では複合則からはずれ,急激な強度上昇が見られた。Nb含有量が多い程強度増加も大きく,Cu-20wt%Nbで最高値1760MPaが得られた。伸びは,εが4〜6の範囲で大きく減少し,以後約2%前後の値に落ち着いた。573K以上の焼純によって強度は大きく低下し,973K以上で一定値となるが,その強度はいずれのNb量でも伸線材の半分以下となった。比抵抗も強度と類似した変化を示すが,Nb含有量が少ない程低い温度からの比抵抗値の減少が見られた。強度が1GPa以上,導電率が純銅の70%以上を高強度・高導電材の目安とすると,Cu-10wt%Nbのみがこの条件を満足する。極低温でのCu-Nb線材の利用を念頭に置き,4.2K磁場中での比抵抗測定も行なった。0.9TまではNbが超伝導となるため比抵抗は零となったが,1T以上で常伝導となり,比抵抗は磁場の大きさに比例して増大した。OTに外挿した値P_<4.2>と室温での値P_<298>の比は高々10前後であり,純銅での比より1桁低い。Nb量が多い程抵抗比が小さく,Nbせん維表面での電子散乱の効果が大きいことを予想させる。 HIP処理材は高温加熱を受けるため,処理前よりも強度が低下するが,Nbがすでにせん維化しているために後の伸線加工で急激に強度が上昇する。したがってHIPによる多心太線化は充分可能であることが分った。
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