1991 Fiscal Year Annual Research Report
アルミニウム系焼結合金の内部摩擦と疲労に関する研究
Project/Area Number |
03650559
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Research Institution | Takaoka National College |
Principal Investigator |
横田 勝 高岡短期大学, 産業工芸学科, 教授 (10029225)
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Keywords | アルミニウム焼結合金 / 焼結機械部品 / 防振材料 / 内部摩擦 |
Research Abstract |
純Al粉を主原料とした、通常焼結法によるAl系焼結合金は、比重が小さく軽量であり、耐蝕性が良好であることに加えて、非磁性であり、熱伝導性および電気伝導性などの物理的性質が優れるなどの特長を持ち、中強度機械部品としてOA機器・コンピュ-タ-機器等に使用されているが、機械的性質等の向上はもとにより、低騒音・低振動性などを付加した、より高級な材料への改善が期待されている。しかしながら高合金Al基焼結体、SAP、Fe系焼結については内部摩擦(Q^<ー1>)特性に関し、いくつかの報告がみられているが、機械構造部品として実用化されているAl系焼結合金については、防振性があることは従来から認められておりながら、その内部摩擦特性についてはほとんど研究・発表されていない。本実験ではこのような背景のもとに、窒素雰囲気中で焼結した、2014系のAlー(3ー6)%Cuー0.5%Mgー0.8%Si焼結合金の内部摩擦特性を測定し、その防振性について実験と検討を行なった。今回得られた結果を要約すると、1、焼結のみ、およびさらにT6処理した試料ともに最大歪み振幅(ε_<max>)が高い領域で、ε_<max>依存性が観察された。2、歪み振幅依存性のない低ε_<max>域でQ^<ー1>を比較すると、2014系Al焼結合金のQ^<ー1>は、Fe焼結体の約10倍、Pb溶浸Fe焼結体の約4倍の大きさであり、本Al系焼結合金における防振性の高いことが確認された。3、本実験で用いた焼結のみ、およびT6処理した試料のQ^<ー1>はCu含有率依存性を示し、Cu含有率が増加すると共に、両者ともQ^<ー1>は低下した。4、焼結体をT6処理すると、引張強さは密度化88%の場合、Cu含有率に応じて増加するが、低ε_<max>域ではQ^<ー1>もT6処理することにより若干大きくなる傾向がみられた。 次年度は上の第4項の内部摩擦とT6処理との関係について重点的に検討するとともに、内部摩擦測定装置を用いて、疲労試験行ない、その特性について実験と検討を行なう予定である。
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Research Products
(1 results)