1992 Fiscal Year Annual Research Report
エレクトロルミネッセンス測定による金属および半導体のアノード酸化に関する研究
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03650561
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Research Institution | (Faculty of Engineering)Hokkaido University |
Principal Investigator |
瀬尾 眞浩 北海道大学, 工学部, 教授 (20002016)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安住 和久 北海道大学, 工学部, 助手 (60175875)
高橋 英明 北海道大学, 工学部, 助教授 (70002201)
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Keywords | エレクトロルミネッセンス / 金属のアノード酸化 / アノード酸化皮膜 / 金属の前処理 |
Research Abstract |
1.水エメリー紙で#1500番まで機械研摩ー水洗ーアセトンで超音波洗浄 2.1の前処理後、アルミナ研摩剤で0.05μmまでバフ研摩ー水洗ーアセトンで超音波洗浄 3.2の前処理後、混酸(容積比;H_2SO_4:HNO_3:HF:H_2O=3:2:4:10)中、30s、化学エッチングー水洗ーアセトンで超音波洗浄 4.3の前処理試料を0.2 M Na_2SO_4中、3 mA cm^<-2>の定電流密度で90V(SHE)までアノード酸化後、アノード酸化物皮膜をNb板を用いて機械的に剥離 上記4種類の前処理を施したNb試料を0.2 M Na_2SO_4水溶液中、3 mAcm^<-2>の定電流密度でアノード酸化した際の電位変化およびEL強度変化を測定した。ELは前処理1で最も強く、つぎに2で観測されたが、3および4では、あまり観測されなかった。一方、電位は1の前処理試料を除き、時間とともに直線的に増加した。電位の直線的増加は、欠陥構造の少ないバリアー型のアノード酸化物皮膜が成長することを意味する。1の前処理試料では、オージェ分析よりエメリー紙の主成分であるSiCに由来すると思われるCピークが観測された。以上の結果からSiCの表面汚染が欠陥構造の多いアノード酸化物皮膜を形成することにより、1の前処理試料で最もELが強く観察されたものと結論された。次に、酸化物皮膜で覆われたNbおよびTiのK_2S_20_8を含むNaCl水溶液中でのカソード分極にともなうEL挙動の測定をおこなった。その結果、TiおよびNbでEL挙動が異なること、さらに、アノード酸化物皮膜と熱酸化物皮膜とでELピークがあらわれる電位が異なる等、ELが皮膜の欠陥構造、特に皮膜の半導体的性質と密接に関連することが示唆された。
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