1991 Fiscal Year Annual Research Report
金属/窒化珪素セラミック界面における珪化物生成の制御法確立とその接合への応用
Project/Area Number |
03650562
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
新谷 光二 北海道大学, 工学部, 助教授 (80001204)
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Keywords | 金属・セラミック接合 / 窒化珪素 / 鉄 / コバルト / ニッケル / 金属・珪素固溶体 / 金属・珪素化合物 / 機械的・熱的物性 |
Research Abstract |
ニッケルと窒化珪素の界面反応においては、1273K以上の温度で反応層の生成が認められた。また、1473Kの高温度でも断面観察からは珪化物の生成は認められず、反応層はニッケルと珪素の固溶体であった。この固溶体層中珪素の濃度はほぼ均一であり、反応層の成長は直線則に従い、反応律速と考えられた。反応速度定数は K(ms^<-1>)=2.7×10^<-4>exp(-165kJ・mol^<-1>/RT) と求められた。 鉄及びコバルトでは反応層は非常に脆く試料取出しの際に剥離して反応層の測定は不可能であった。鉄は1373K以上の温度で鉄と珪素の固溶体層の生成が確認された。コバルトは1473K以上の温度でコバルトと珪素の固溶体層の生成が確認された。この固溶体層中にX線回折によってCo_2Siが検出された。 鉄ー珪素系、コバルトー珪素系、ニッケルー珪素系の固溶体並びに化合物、Fe_3Si、Fe_5Si_3、Co_2Si、Ni_3Si、Ni_5Si_2、Ni_2Siの直方体試料を作製し、3点曲げ試験と線熱膨脹係数測定とを行った。 各系の固溶体では曲げ試験の結果から珪素の固溶硬化が起こることが判った。各化合物では曲げ試験によれば低応力で破壊し、いずれも脆い物質であることが判った。 線膨脹係数の測定結果は各系固溶体,各化合物共窒化珪素と比較して2〜5倍大きな値を示した。 以上の結果から、反応層として各系固溶体のみを生成させる条件が明らかになり、また特に堅く脆い物質、Fe_3Si_3、Co_2Si、Ni_5Si_2の生成を防ぐ必要があることが判明した。
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