1992 Fiscal Year Annual Research Report
金属間化合物の新しい結晶構造マップの作成と合金元素による結晶構造の変換
Project/Area Number |
03650575
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
森永 正彦 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (50126950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 裕彦 京都大学, 工学部, 教授 (60029105)
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Keywords | 金属間化合物 / 結晶構造 / 電子構造 / 分子軌道法 |
Research Abstract |
金属間化合物は、新しい高温材料あるいは高機能材料として注目を集めている。その物理的、化学的性質は結晶構造に大きく依存する。合金とは違い、金属間化合物の結晶構造は構成元素の組合せにより実にさまざまに変化するので、それを予測することは新しい材料を開発するときに必要である。このため、これまで多くの“結晶構造マップ"が提唱されてきている。しかし結晶構造の予測という観点から見れば、いずれも不正確なものであり、新しい材料の設計にはほとんど役に立っていないのが現状である。本研究の目的は材料設計にも役立つような、新しい結晶構造マップを電子論を用いて作成することである。 昨年度はアルミナイド系とシリサイド系について、主に2成分系構造マップを作成した。本年度はこの成果に基づいて、以下の研究成果を得た。 1.第3元素添加による構造変換を図るため、アルミナイド系(TiAl)とシリサイド系(MoSi_2)化合物中での第3元素の電子状態を分子軌道法(DV-Xαクラスター法)を使って系統的に計算した。 2.その結果を参考にして、3成分系構造マップを作ることを検討した。アルミナイド系ではTiAl,Nb_3Al,NiAl,FeAlを、またシリサイド系ではMoSi_2に注目した。その結果、これら金属間化合物の中で第3元素がアルミニウム(またはシリコン)の位置に入るか、遷移金属(例:Ti,Nb,Ni,Fe,Mo)の位置に入るかを考慮して、各化合物に対して2種類の構造マップを作成した。 3.そのマップを基にして、第3元素による構造変換の可能性と材料設計への適用を吟味した。 本研究を通し、従来のものよりも優れた結晶構造マップを作成することができた。
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