1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03650582
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
中山 豊 大阪府立大学, 工学部, 教授 (90081364)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 利之 大阪府立大学, 工学部, 助手 (20219372)
津田 大 大阪府立大学, 工学部, 助手 (80217322)
森井 賢二 大阪府立大学, 工学部, 助教授 (10101198)
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Keywords | 非晶質薄膜 / カルコゲナイド / SーGa系薄膜 / 非晶質半導体 / 電気伝導特性 / 光吸収端 / 光学的性質 |
Research Abstract |
光誘起構造変化を示すカルコゲナイド系非晶質について、材料学的および電子物性的な検討を加え、その構造変化機構を明らかにし、光メモリ-材料への応用のための基礎的知見を得ようとするのが本研究の目的である。本年度の課題は、材料選定、非晶質薄膜の作製とその結晶学的構造の評価であり、以下に検討結果を述べる。 (1)材料系の選択 光構造変化を示す材料の多くはTe,Seなどのカルコゲン元素を含む非晶質に認められるが、安全性の点で問題が指摘されている。本研究ではこの立場から、硫黄S系のカルコゲナイドを検討すこととした。非晶質形成能と特性制御の観点からとくに、SbーGa系をとりあげた。 (2)タ-ゲットと薄膜の作製 Ar気流中1400Kで液体GaにS気体を吸収させることによりGa_2S_3固相をとし、これを圧粉することによりタ-ゲットとした。薄膜はイオンビ-ムスパッタ法により作製した。組成分析によれば、薄膜の組成は45at%Sー55at%Gaであった。 (3)SーGa系薄膜の結晶学的構造と光学特性 X線回折、TEM観察により、得られた薄膜は非晶質であることがわかった。RDF解析より、非晶質の局所構造は、SーGa,SーS原子鎖の四面体的な配位をもつことが推定された。薄膜は半導体的な伝導特性を示し、光学的には屈折率3.3程度、可視光域以上(λ>450nm)で透明であった。光学ギャップは約1.9eVで、電気伝導の活性化エネルギ-のほぼ2倍であり、SーGa薄膜はカルコゲナイド系非晶質半導体の範疇に入ることがわかった。
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Research Products
(1 results)