1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03650589
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
守末 利弥 名古屋大学, 工学部, 教授 (10157894)
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Keywords | 鋼管電縫溶接 / 誘導溶接法 / 抵抗溶接法 / インピ-ダ- / 電縫溶接数式モデル / 電縫溶接の制御 |
Research Abstract |
(1)誘導溶接型の鋼管電縫溶接において,インピ-ダ-は必要不可欠である。従来この機能に関して理論的および定量的な解析がなされていなかった。本研究でこれを行い,管径10cmの鋼管の場合インピ-ダ-を使用しなければ無効電流(周方向電流)は溶接電流の90%に達し、使用すれば2%以下であることを解明した。 (2)溶接周波数が200〜400KHzであるため,溶接面の肉厚方向(鋼管半径方向)に不均一な温度分布を生ずる。電磁場方程式を作成し,定量的に解析した。溶接電流が大きい程、造管速度が大きい程、またVアペックス角が大きい程,不均一度が増大することを解明した。 (3)抵抗溶接型の鋼管電縫溶接プロセスに対して,電磁場方程式と熱伝導方程式を連成した数式モデルを作成し,溶接面の昇温過程のコンピュ-タ・シミュレ-ションを行った。数式モデルは実操業に則して電圧入力型とした。電圧入力型モデルの場合,インピ-ダンスの計算法で結果が大きく変化する。2通りのインピ-ダンス計算法を導出した。いずれもある前提条件を設定しているので,これらの妥当性の検討が今後の課題として残されている。 (4)溶触鉄は表面張力が大きく液滴は球状になる。したがって,溶接点の手前で両面から成長した液滴は接触溶着し溶接電流は短絡される。このとき液滴は磁気圧によって溶接点の方へ押しつけられる。すなわち短絡点の振動現象が出現する。この結果,回路のインピ-ダンスが変化し周波数が変化する。周波数の変化を測定すれば溶接電流の過不足を判定でき,フィ-ドバック制御が可能になる。この溶接点の振動現象を解明した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Morisue and T.Yajima: "Analysis of the Function of the Impeder of an Electric Welding Machine for Steel Pipes" The Abstracts of the International Symposium on Nonlinear Phenomena in Electromagnetic Fields(Nagoya Congress Center,Nagoya,Japan January 26ー29,1992). 146 (1922)
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[Publications] 守末 利弥,仲保 真輝: "鋼管電縫溶接プロセスの解析" 電気学会靜止器・回転機合同研究会資料. SAー91ー41. 43-52 (1991)
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[Publications] 守末 利弥,矢嶌 智之: "誘導加熱溶接におけるインピ-ダ-の機能解析" 日本シミュレ-ション学会計算電気・電気工学シンポジウム論文集. (1992)
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[Publications] 守末 利弥,矢嶌 智之: "鋼管電縫溶接プロセスの解析" 電気学会論文誌,1992.