1991 Fiscal Year Annual Research Report
複合増感化学発光を利用する生理活性アミンの高感度分離分析
Project/Area Number |
03650596
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
上舘 民夫 北海道大学, 工学部, 助教授 (70185990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 寛人 北海道大学, 工学部, 教授 (80002856)
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Keywords | 生理活性アミン / アドレナリン / ルシゲニン / 化学発光 / 界面活性剤 / 増感化学発光 |
Research Abstract |
1.複合増感機構について,生理活性アミンのうちアドレナニンを用いて検討した。実験は種々の反応条件で生成する種々のアドレナリン酸化化学種の時間的な濃度変化を吸収あるいは螢光スペクトルから観測した。その結果,アナカリ条件でのルシゲニンとの化学発光(CL)反応では,第1ピ-クの発現にはキノンおよびアドレノクロムが関与し,また,第2ピ-クの発現にはアドレノルチンが関与していることが明らかとなった。また,酸化剤であるNaIO_4とカチオン性界面活性剤ミセルが共存する複合増感系において、アルカリ条件と比較してCL強度が著く増大し、また,CL応答曲線にピ-クが1本しか発現しない原因が,NaIO_4の酸化によりアドレノルチンの生成速度が著しく増大するためであることが明らかになった。また,本複合増感系においてミセルはミセル表面での静電相互作用によるアドレナリンおよびNaIO_4の濃縮効果に寄与していることが明らかとなった。 2.複合増感CL系を利用したFIA法による生理活性アミンの高感定量法を開発した。試薬の混合順序,混合時間ならびに濃度を最適化し,検量線を作成した。その結果,アドレナリン,ノルアドレナリン5.0×10^<-7>Mおよびド-パミンの定量下限は,それぞれ2.0×10^<-9>Mおよび1.0×10^<-7>となった。複合増感系を用いることにより,アルカリ溶液のみの場合の100倍,また,ミセルおよびNaIO_4が単独に添加した場合の10〜50倍感度が向上した。本法は血獎中の生理活性アミンを分析できる定量感度を有することが明らかになった。
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