1991 Fiscal Year Annual Research Report
化学発光検出高速液体クロマトグラフィ-による金属の高感度分離分析に関する研究
Project/Area Number |
03650609
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Research Institution | Iwaki Meisei University |
Principal Investigator |
田中 誠之 いわき明星大学, 理工学部, 教授 (30010755)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 健二 いわき明星大学, 理工学部, 助手 (70183382)
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Keywords | 化学発光 / ルミノ-ル / 高速液体クロマトグラフィ- / 遷移元素 |
Research Abstract |
本研究では、化学発光を検出器とした高速液体クロマトグラフィ-により化学発光法の欠点である選択性に関する問題を分離カラムにより克服し、かつ共存物質の影響を受けやすかった金属元素の同時定量法に関して本研究を精力的に推進し,化学発光分析法による微量金属元素の分析法を開発することに目的を置いている。具体的には3台の高圧ポンプを使用した高速液体クロマトグラフ装置と化学発光検出器を組み合わせた化学発光分析システムにより本研究を遂行した。3台の高圧ポンプの内、一つは溶離液、他の二つはルミノ-ルと過酸化水素の化学発光反応試薬を流すために用いた。検討した金属元素は鉄、銅、コバルト、ニッケル、亜鉛、鉛の計6種類である。コバルト2ppb溶液を用い種々の基礎的実験を行った結果、溶離液を1ml/minとした場合、1×10^<ー3>Mルミノ-ルと1×10^<ー3>M過酸化水素の流量比1:3の時が最適条件であることを得た。この条件を基に増感効果の度合いを調べたところコバルト>鉄、銅>ニッケル、亜鉛>鉛の順であった。特にコバルトに関しては、検出限界が3pptであった。この値は、原子吸光分析法、吸光分析法などに比べて非常に分析感度である。他の金属元素については、原子吸光法と同様な値であった。 本法をマンモスの牙及び像牙の中の金属中元素の定量に応用した。その結果、コバルト、鉄、銅の存在が、得られたクロマトグラムより確認された。しかし鉄、銅については、実サンプルのクロマトグラムが非常に接近していることと銅のクロマトグラムにテ-リングが見られるために定量することまではできなかった。これについては、他の分離カラム及び溶離液の種類を変えることで改善されると考え現在検討中である。コバルトについては、マンモスの牙で0.07ppm、象牙では0.1ppmとなった。今回は、マンモス、象牙、各2種類と少ないため、マンモスと象牙の相違についてはさらに多くのサンプルを分析する必要があると思われる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Sato and S.Tanaka: "Determination of organic compounds in water using inhibitory effect on the luminolーhydrogen peroxideーperoxodisulfate chemiluminescence reaction" Analytical Science. 7. 1167-1170 (1991)
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[Publications] K.Sato and S.Tanaka: "Determination of Co(II)in elephant and mammoth tusk by chemiluminescence method" Anal.Chim.Acta,.