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1991 Fiscal Year Annual Research Report

ペロブスカイト構造型リラクサ-材料の誘電特性と相転移機構に関する研究

Research Project

Project/Area Number 03650615
Research InstitutionTokyo Institute of Technology

Principal Investigator

鶴見 敬章  東京工業大学, 工学部, 助教授 (70188647)

Keywords強誘電体 / 圧電体 / PZT / リラクサ-
Research Abstract

本研究は、代表的な緩和型強誘電体(リラクサ-)である鉛系ペロブスカイト化合物の圧電・誘電特性と、結晶中の原子配列、電子構造との関係を明らかにすることを目的とするものである。本年度は、まずペロブスカイト型化合物の圧電性と微視的構造の関係の解明を試み、これまで不明であったチタン酸鉛ージルコン酸鉛固溶体(PZT)に対するマンガンの添加効果について検討した。
圧電体の中には、高結合型のソフトな圧電体と低損失型のハ-ドな圧電体がある。PZTにMnを0〜0.5wt%添加した試料について圧電的性質を測定したところ、他の添加物の場合と異なり、Mnの添加により高結合型と低損失型の両方の特性が現われることが明らかになった。この現象はPZT中のMnの価数と深く関係していると考えられたため、酸化および還元処理した試料についても圧電的性質を測定した。その結果、酸化処理により高結合型の特徴が、また、還元処理により低損失型の特徴が強調されることが明らかになった。さらに、ESRの測定結果はPZT中のMnは4価,3価,2価が混合した状態で存在し,還元処理により3価の存在率が増加することを示していた。また、各試料の結晶構造を粉末X線リ-トベルト法で解析し、Mn固溶量の増大にともない結晶構造が立方晶系に近づくことが判明した。これらの実験結果を総合的に考察し、Mn添加により高結合型の特性が現われるのは結晶構造の変化で、また、低損失型の特性が現われるのは、(Ar,Ti)位置へのMn^<3+>の固溶により生ずる電子構造の変化で説明できることがわかった。
本年度は、リラクサ-材料に関する検討を行うための準備段階としてペロブスカイト型化合物の結晶構造、電子構造と圧電的性質との関係に関する基礎的知見の集積を行った。次年度は、この知見に基づきリラクサ-材料についての研究を行う予定である。

URL: 

Published: 1993-03-16   Modified: 2016-04-21  

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