1992 Fiscal Year Annual Research Report
希土類二元金属フッ化酸化物の合成と固体電解質としての応用
Project/Area Number |
03650619
|
Research Institution | FUKUI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
高島 正之 福井大学, 工学部, 助教授 (60115300)
|
Keywords | アニオン複合 / 希土類二元金属フッ化酸化物 / 酸化物イオン導電性 / 固体電解質 |
Research Abstract |
アニオン複合系新素材としての希土類二元金属フッ化酸化物の0^<2->イオン導電性発現の機構を明らかにし、酸素センサー用固体電解質への利用を目指して、以下の項目について調べた。(1)高いO^<2->イオン導電性が確かめられたネオジム化合物、Nd_2Ln_2O_3F_6についてX線や中性子回折法により結晶構造を明らかにし、XPS法によって結合構造を明らかにしO^<2->イオン導電性発現の機構を調べた。(2)希土類酸化物とフッ素ガスとの反応から酸化物中或いは酸化フッ化物中でのアニオンの拡散挙動を調べた。(3)緻密焼結体試料作製のためのホットプレス条件を確立し、酸素センサー用試料を試作し機能評価を行なった。Nd_2-Sm_2F_6O_3系について、従来1200℃以上の反応温度を必要としたものが出発試料の粒径調整や真空脱水処理を行い、密閉系で固相反応すると1000℃でも再現性良く正方晶構造単一相が合成できた。Nd_2-Eu_2F_6O_3系のO^<2->イオン導電性は、YSZに代表される固体電解質同様にO^<2->イオンの欠損構造に由来する電導機構として説明されるが、蛍石型を基本構造としたO^<2->イオンとF^-イオンの配列の秩序構造と、NdおよびEuの価数変化が重要な要素であることが解かった。また、ホットプレス法による緻密焼結体作製の最適条件を検討したが、焼結密度の最大値は理論値の0.85にとどまり、これは粒界のopen poreがclosed poreとして残留する為であり、成型する際の粉体粒径の制御や真空下ホットプレスなどを検討する必要を認めた。 希土類金属酸化物とフッ素ガスとの反応を調べ、反応性を分類整理し、Nd_2O_3とCeO_2の酸化フッ化物生成機構を明らかにした。酸化物表面に生成するフッ化物被膜中の酸素の拡散が反応律速となることがわかった。 希土類二元金属酸化フッ化物系の新しい相として、Nd含量が70wt%にもなるガラス相の生成を確認し、組成など生成条件を検討した。
|
-
[Publications] M.TAKASHIMA,Y.NOSAKA,and T.UNISHI: "Reaction between rare earth oxides and elementary fluorine.I.Fluorination of neodymium oxide." Eur.J.Solid State Inorg.Chem.29. 691-703 (1992)
-
[Publications] M.TAKASHIMA,S.FUKAMI,Y.NOSAKA and T.UNISHI: "Reaction between rare earth oxides and elemental Fluorine.II.Kinetics of the fluorination of cerium dioxide." J.Fluorine Chem.57. 131-138 (1992)