1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03650620
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
三宅 通博 山梨大学, 工学部, 助手 (30143960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 喬 山梨大学, 工学部, 教授 (60020385)
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Keywords | イオン交換反応 / 組成変換 / イオン記憶機能 / カリウムイオン / ナトリウムイオン / タングステン酸化合物 / モリブデン酸化合物 / フッ素雲母 |
Research Abstract |
イオンの交換反応を活用した組成変換技術は、溶融、固相反応、水熱法等の通常合成法では合成不可能な準安定な新化合物をもたらす。そのため新化合物に種々の特異的機能の発現が期待される。本研究では、イオン交換反応を活用した組成変換によりK^+イオン記憶機能(類似したイオンが多量に存在する系からでもK^+イオンのみを選択的に取り込む)を有する材料の開発を試み、記憶機能の評価を行った。 1.トンネル構造のKMo_5O_<15>OH・2H_2O中のK^+イオンの一部をH^+あるいはNa^+イオンに組成変換したKーH型およびKーNa型のK^+イオン選択性を検討した。その結果、KーNa型はK^+イオン選択性を示すのに対し、KーH型はK^+イオン選択性を示さないことを見いだした。 2.トンネル構造のKNbWO_6中のK^+イオンの一部をプロトンで組成変換したK_<0.8>(H_3O)_<0.2>NbWO_6は、共存するNa^+イオン量に関係なく、少量ではあるが一定量のK^+イオンを取り込み、K^+イオン記憶機能を有する可能性を示した。 3.層状構造のフッ素雲母であるテニオライト(KーT)、ヘクトライト(KーH)、四ケイ素雲母(KーTS)中のK^+イオンをNa^+イオンに組成変換したNaーT、NaーH、NaーTSのK^+イオン選択性を検討した。その結果、K^+イオン選択性の序列はNaーT>>NaーH>NaーTSであり、NaーTは共存するNa^+イオン濃度に関係なく、ほぼ一定量1.3meq/gのK^+イオンを取り込み、K^+イオン記憶機能材料として有望であることが判明した。
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Research Products
(2 results)