1991 Fiscal Year Annual Research Report
炭化ケイ素ウイスカ-強化ムライト系複合セラミックス開発のための基礎的研究
Project/Area Number |
03650628
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
芦塚 正博 九州工業大学, 工学部, 助教授 (60006046)
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Keywords | ムライト / 炭化ケイ素ウィスカ- / 複合材料 / ゼ-タ電位 / 沈降実験 / 分散剤 / 等電点 / 強度 |
Research Abstract |
1.スラリ-中でのムライト(3Al_2O_3・2SiO_2)粉末、SiCウイスカ-の分散状態の測定. (1)水溶液中でのムライト粉末の等電点はpH=7.5であった。粒子表面は等電点より酸性側で正に,塩基性側で負に帯電し、ゼ-タ電位はpH=3では55mV、pH=10では-50mVとなった。ムライト粉末の沈降速度は等電点近傍で最も速く、それより酸性側および塩基性側へ移るに従って遅くなった。ゼ-タ電位から予想される分散性と沈降実験の結果は良く対応した。 (2)直径会0.5μm及び1.1μmの炭化ケイ素ウイスカ-のゼ-タ-電位を測定した。直径が0.5μmの場合の等電点はpH=5.0で、ゼ-タ電位はpH=3で40mV、pH=10で-45mVとなった。一方、直径が1.1μmの等電点はpH=4.5で、ゼ-タ電位はpH=3で20mV、pH=10で-60mVとなった。沈降実験を行ったところ、直径が0.5μmのウイスカ-の場合には、pH=3から10と塩基性になるに従って沈降速度が遅くなり、また直径が1.1μmのウイスカ-の場合にはpH=3と10で沈降速度が速く、pH=5および8で沈降速度が遅くなった。SiCウイスカ-の場合、ゼ-タ電位の測定から予定される分散性と沈降実験の結果の対応性は良くなかった。 (3)アクリル酸オリゴマ-系分散剤を添加してムライト粉末のゼ-タ電位及び沈降速度を測定したところ、ゼ-タ電位への影響は小さかったが、沈降速度は非常に遅くなり、分散性が良くなることが明らかになった。 2.マトリックスとして使用するムライトの成型・焼結後の密度および強度に対するスラリ-のpH、分散剤の添加の影尾を検討したところ、pHの影響より、分散剤添加の効果が大きかった。 3.SiCウイスカ-/ケイ酸塩系マトリックス複合材料の強度及び被壊靭性に対するマトリックス膨張係数の影響を検討するためにマトリックストしてディオプサイドとコ-ディエライトを使用した場合についても検討したところウイスカ-とマトリックスの濡性の影響の方が大きいと推測された。
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