1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03650639
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小沢 泉太郎 東北大学, 工学部, 教授 (60005436)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 達也 東北大学, 工学部, 助手 (60174653)
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Keywords | ホルモ-ス反応 / アルカリ土類金属酸化物 / 触媒 / メタノ-ル / 溶媒 |
Research Abstract |
ホルモ-ス反応は、通常水溶液系で塩基を触媒として行われるホルムアルデヒドの低重合反応であり、生物の手を借りない食糧(糖類)生産手段として古くから興味を持たれている。しかし、反応の選択性が悪く未だ実用的な意味で成功には至っていない。本研究は、この反応の選択性改良を目的とした触媒研究である。 液相反応の選択性に影響を及ぼす因子としては、触媒の他に、溶媒や反応条件の選択があるが、水溶液系では既往の広範な研究にも拘わらず、選択性の良い触媒や反応条件は見出されていない。そこで、本年度は非水溶媒であるメタノ-ルに着目し、本溶媒中でホルモ-ス反応に活性を示す触媒の探索的研究、ならびに活性を示した触媒種を対象とした反応機構解析を行った。 まず、水溶液系で多種類の塩基が触媒作用を示している事を参考に、固体塩基を中心に十数種類の物質を選びその活性を調べた結果、MgOを除くアルカリ土類金属酸化物(CaO、SrO、BaO)が、メタノ-ル溶媒中でのホルモ-ス反応に触媒活性を示すこと、および、活性の大きさの序列が、BaO〉SrO〉CaOの順であることが見出された。これは、本研究によって得られた新たな知見である。水溶液系ではこれらの水酸化物が触媒活性を示すことが知られているが、中心金属に関する活性の序列はCa〉Sr〉Baであり、このことは両者で触媒活性種が異なっていることを強く示唆していた。そこで、この点に関して、 ^1H、 ^<13>C、および ^<135>BaーNMR法、IR法を用いつつ検討を行い、活性中心のモデルを提案した。なお、本研究で見出された各触媒はメタノ-ル溶媒にかなり溶解し、均一系触媒として作用していると認められる。これらの固定化ないし不溶化と、選択性の改良は次年度の課題である。
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Research Products
(1 results)