1991 Fiscal Year Annual Research Report
新規層状金属オキシハライドの合成と選択的アルカン酸化触媒への応用
Project/Area Number |
03650647
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
上田 渉 東京工業大学, 総合理工学研究科, 講師 (20143654)
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Keywords | 金属オキシハライド / 層状構造 / 固体触媒 / アルカン / 接触酸素酸化 |
Research Abstract |
アルカンの接触酸素酸化による高級炭化水素あるいは含酸素化合物の合成反応に対する触媒開発に金属オキシハライドを母体材料に選び、その触媒機能の高性能化、インテリジェント化を図るための基礎情報を下記の研究により収集した。 1.オキシハライドの合成、構造、物性 (1)構成元素が異なる数多くの層状オキシハライドを高温固相反応により合成し、得られた化合物の構造を粉末X線回折、電子顕微鏡等により決定すると共に、そのものが生成する反応条件を確立した。石英封管中、ビスマスおよびランタン(あるいはサマリウム)の酸化物とオキシ塩化物の混合物を850度で加熱、固相反応させることにより、これまで全く知られていない層状オキシ塩化物が生成することを見いだした。構造解析の結果、従来の層状オキシ塩化物で見られる酸化物層と塩化物層がそれぞれ1層づつ交互に積み重なるのに対して、本研究で見いだされた化合物では酸化物層が2層構造となり、それと塩化物層が交互に積み重なる構造となることがわかった。より一層の酸化物層の多層化及び塩化物層の多層化も検討している。 (2)層状金属オキシハライド層間への金属イオンあるいはハロゲンイオンの水溶液からの侵入反応を種々の条件下で行い、取り込み現象を明らかにした。EXAFS、IR、ESRによる分析の結果、侵入した金属イオンは酸化物層中の1価金属イオンと置き代わり、同時にハロゲンイオン層にハロゲンイオンが取り込まれることがわっかた。 2.触媒反応試験 アルカンのメタンを選び、その酸化的カップリング反応を1.で合成した金属オキシハライドを用いて行い、その触媒能を構造面から整理した。
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Research Products
(1 results)