1992 Fiscal Year Annual Research Report
新規層状金属オキシハライドの合成と選択的アルカン酸化触媒への応用
Project/Area Number |
03650647
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Research Institution | TOKYO INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
上田 渉 東京工業大学, 総合理工学研究科, 講師 (20143654)
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Keywords | 金属オキシハライド / 層状構造 / 個体触媒 / アルカン / 接触酸素酸化 |
Research Abstract |
アルカンの接触的部分酸化に高活性、高選択的な固体触媒の開発を目的として、層構造を有する金属オキシハライドを触媒母体材料に選び、その触媒機能の高性能化、インテリジェント化を図るための基礎情報を下記の研究により収集した。 1.メタン酸化における構造活性相関の整理 層構造の構成ユニットおよびその組み合せが異なるいくつかの触媒を合成し、活性、選択性を整理した。ハロゲンイオン層の多重度を順次減少させ、ハロゲンイオン層が1となった時点からは金属酸化物層の多重度を増加させた。ハロゲンイオン層の多重度が減少するにつれて酸化活性は低下し、反対に触媒に安定性は富むようになった。中間に位置する触媒が最も選択性が高くなり、層構造制御により触媒性能をチューニング出来ることが判った。 2.速度論的検討等 速度論的研究の結果および気相にハロゲンイオンがあっても反応には関与しないとする結果より、触媒表面上のハロゲンイオンが直接アルカンを活性化し、その能力は金属酸化物層との電子移動のされ易さによって決定されると結論した。 3.エタンの酸化的脱水素 上記層状金属オキシハライドはエタンの酸化的脱水素反応にも高い活性を示し、95%以上の高い選択率でエチレンを与えることを見いだした。 4.ハロゲン化アルキルの脱ハロゲン化反応 層状金属オキシハライドの構造で金属酸化物層自体の触媒能をさらに調べるために、ハロゲン化アルキルの接触的脱ハロゲン化反応を行った。反応は酸化物層を形成する金属元素によって優先的に支配され、触媒のプロトンアクセプター能が重要であるのことが判った。このことより、アルカン酸化反応では反応はハロゲンの作用によって決定されるが、触媒サイクルを完成する上で金属酸化物層のプロトンアクセプト能も重要な因子であると推論した。 5.インターカレーションによるハロゲンイオン層の多重化 種々の層状金属オキシハライドについて、金属ハロゲン化物の水溶液からのイオン侵入反応により、ハロゲンイオン層の多重化を試みた。
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[Publications] R.Burch,S.Chalker,John.M.Thomas,Wataru Ueda,and P.Loader: "An Investigation of Ethene Selectivity in the Methane Coupling Reaction on Chlorineーcontaining Catalysts;" Appl.Catal.,. 82. 77-90 (1992)
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[Publications] Wataru Ueda,Masato Yamazaki,Yutaka Morikawa: "Catalytic Activities of Layered Metal Chloride Oxides for the Dehydrohalogenation of tーButyl Halides" Bull.Chem.Soc.Jpn.66. 347-349 (1993)