1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03650648
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
野坂 芳雄 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (30134969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 信行 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (50011119)
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Keywords | 粒子形成反応 / 粒径制御 / 半導体超微粒子 / 金属クラスタ-錯体 / ストップトフロ-分光法 / 硫化カドミウム / 金属ヨウ化物 |
Research Abstract |
ロックインアンプおよび光電子増倍管冷却装置を用いて,今まで用いて来たストップトフロ-分光装置を改良し,溶液を混合して作成する超微粒子の生長過程を効率よく追跡できるようになった。装置の試験をかねて,Pb^<2+>,Hg^<2+>,あるいはBi^<3+>イオンとI^-イオンのメタノ-ル溶液を用いて,金属ヨウ化物の形成について追跡した。これらの化合物超微粒子についての報告はいくつかあるが,新たにピ-クの帰属することができた。 CdS超微粒子の粒径制御のためには,まず粒径制御剤として用いるメオ-ルの種類,およびpHを変えてその効果を調べた。その結果,メルカプトエチルアミンは形成速度を低下させるのに有効であり,メルカプトプロピオン酸はその効果が少ないことがわかった。化学量論的な粒径制御をおこなうためには,構造の決った金属のクラスタ-錯体を形成することが必要であるが,メルカプトエタノ-ル,システインにおいて,そのような傾向が見られた。メルカプトエタノ-ル(RSH)について ^1HーNMRで注意深く観察すると,結晶構造の知られているCd_<10>核錯体の中の3価のSR配位子4個がS^<2->に置換するのが観察された。RSHがCdに対し過剰にある場合,cd(SR)^<2->_4錯体となり,S^<2->を加えることにより,はじめて280nmに吸収を持つ安定なクラスタ-錯体を形成することを見い出した。これはCdを中心にもつCd13核錯体と考えられる。しかし,それらの金属クラスタ-錯体は水溶液中では不安定なため結晶として軍離できず,凍結乾燥により粒末として取り出せるのみであった。今後,チオ-ル類および,溶媒を変えて,クラスタ-錯体を安定に取扱える条件を検策する必要がある。
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[Publications] Yoshio Nosaka: "Formation and Photoreaction of PbI_2,HgI_2,and BiI_3 Layered Uitrasmall Particles." Israel Journal of Chemistry. (1992)
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[Publications] Yoshio Nosaka: "Sizeーcontrolling of Ultrasmall CdS Particles in Agueous Solution by Using Various Thiols." Journal of Colloid and Interface Science.