1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03650668
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
二タ村 森 東京大学, 先端科学技術研究センター, 講師 (60165446)
|
Keywords | ジメチル芳香族炭化水素 / 光ブロモ化 / ビス(ブロモメチル)芳香族化合物 / 加水分解 / ビス(ヒドロキシメチル)芳香族化合物 / 過ヨウ素酸テトラブチルアンモニウム / 酸化 / 芳香族ジアルデヒド |
Research Abstract |
昨年度はジメチル芳香族炭化水素の光ブロモ化により,機能性材料の原料として価値の高いビス(ブロモメチル)芳香族化合物を収率良く,かつ簡便に合成する反応系を確立した。そこで,本年度はビス(ブロモメチル)芳香族化合物の官能基変換反応につき検討し,ビス(ヒドロキシメチル)芳香族化合物や芳香族ジアルデヒドを収率良く合成することに成功した。 臭化トリエチルベンジルアンモニウムのようにビス(ブロモメチル)芳香族化合物との化学親和性が高い相間移動触媒存在下,強アルカリ水溶液中でビス(ブロモメチル)芳香族化合物を還流することにより,対応するビス(ヒドロキシメチル)芳香族化合物が好収率で得られた。本反応においてジクロロメタンのような有機溶媒を添加すると,反応効率の低下が認められた。 芳香族ジアルデヒドの合成については,ビス(ブロモメチル)芳香族化合物の直接酸化による反応を試みた。酸化剤としては過ヨウ素酸テトラブチルアンモニウムが適当であり,ジアルデヒドの収率を高めるためには,ビス(ブロモメチル)芳香族化合物に対して2.2モル当量の過ヨウ素酸テトラブチルアンモニウムを添加する必要がある。本法によれば芳香族ジアルデヒドの一部が臭素化されてしまう。無置換の芳香族ジアルデヒドを選択的に合成するには,アントラセンのような臭素捕捉剤の添加が有効である。 ビス(ヒドロキシメチル)芳香族化合物や芳香族ジアルデヒドをジメチル芳香族炭化水素の直接酸素酸化により合成することは極めて困難であることから,本研究で得られた成果の意義は大きいものと考えられる。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Shigeru Futamura,and Zhi-Min Zong: "Photobromination of Side-Chain Methyl Groups on Arenes with N-Bromosucainimide" Bull.Chem.Soc.Jpn.65. 345-348 (1992)
-
[Publications] Shigeru Futamura: "Selective Synthesis of Aromatic Dialdehydes from Bis(bromomethyl) aueues with Tetrabutyl ammonium Periodate Oxidation." Bull.Chem.Soc.Jpn.