1991 Fiscal Year Annual Research Report
セレニウムアニオンの新発生法と含セレン環状キノノイド化合物の合成
Project/Area Number |
03650672
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
植野 禎夫 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (70024297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 良彦 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (70220944)
融 健 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (00163957)
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Keywords | セレニウムアニオン / 含セレン環状キノノイド化合物 / ジフェニルジセレニド / トリブチルホスフィン / セレノナフトキノン / セレノ化法 |
Research Abstract |
有機セレン化合物は、炭素骨格の形成あるいは官能基変換などに有用な合成中間体として近年注目されており、有機セレノ基の簡便な導入方法の開発及び含セレン複素環化合物の合成への応用を検討した。以下に研究結果を示す。 1)ジフェニルジセレニドをトリブチルホスフィン、水酸化ナトリウム水溶液と室温で短時間処理することにより、効率よくベンゼンセレノラ-トイオンが発生することを見い出した。 2)得られたセレノラ-トイオンを2ーハロ-1,4ーナフトキノン類と反応させることにより、従来法ではうまく合成できなかった2ーフェニルセレノー1,4ーナフトキノン類が高収率で得られた。 3)前記セレノ化反応を2ーハロ-1,5ーナフトキノン類や2ーハロキノリンキノン類についても行ったところ、相当するセレノキノン類が収率良く得られた。 4)前記セレノ化法の合成化学的応用として、ハロエノン、ハロゲン化アルキル、エポキシドとの反応を検討した結果、相当するセレノ化物が高収率で得られた。 5)光学活性体である3αーブロモコレスタンを反応基質として用いることにより、本セレノ化反応が立体反転を伴うS_N2反応で進行することがわかった。 6)このセレノ化反応をキ-ステップとしてキノン骨格にセレノ基を導入し、酸性下で閉環させることにより新規骨格を有するジヒドロベンゾ[b]ナフト[2,3ーf]セレネピントリオンを収率よく合成した。 7)また、本セレノ化法がメトキシカルボニル基を有するジアリールジセレニドやビス(アミノピリジル)ジセレニドにも拡張できることを見い出し、ハロキノン類との反応によりそれぞれ、ベンゾ[b]ナフト[2,3ーe]セレニントリオン、ナフト[2,1ーb]ピリド[3,2ーe][1,4]セレナジン類を合成した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 榊原 誠: "New Selenenylation Method,Synthesis of Selenonaphthoquinones and Selenoquinolinequinones Mediated by Phenyl Selenide ion." J.Chem.Soc.Perkin Trans.1. 1231-1234 (1991)
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[Publications] 榊原 誠: "Selenation of 1,5ーNaphthoquinones:Novel Sxnthesis of Naphthopyridoselenazines." Bull.Chem.Soc.Jpn.64. 2242-2248 (1991)
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[Publications] 榊原 誠: "Efficient Selenation of Quinones:Synthesis of Novel Benzo[b]naphtho[2,3ーe]selenintrione and Dibenzo[b,e]seleninone." Bull.Chem.Soc.Jpn.(1992)
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[Publications] 榊原 誠: "A Convenient Procedure for the Preparation of Organic Selenides." Synthesis. (1992)