| Research Abstract |
脂肪族ジオ-ルをフェノ-ルカリウムなどの弱塩基〓CH(CH_2)_<nー2>〓ーCH_2OH存在下で加熱すると,右に示した構造を有するポリオ-ルポリマ-が得られる(Macromolecules,1985,18,846に報告).本ポリマ-は炭素鎖に反応性の高いメチロ-ル基が多数ついており,マレイン酸とスチレンを用いて架橋させると,その割合によりゴム弾性を持ったものから,3.4kgf/mm^2のものまで得られる(J.Appl.Polym.Sci.,1988,35,1593に報告).このメチロ-ル基を更に他の官能基に変換すると,様々な機能を持ったポリマ-に導くことが出来ると思われる.現在次の官能基への変換に成功した.ーCH_2OH→ーCOOH,ーCOOM_e,ーCH_2NH_2,ーCH_2C1,ーCH_2Br,ーCH_2I,ーCH_2OSiMe_2OEt,ーCH_2OCH_2CH_2CH_2OSiMe_2OEtなどである.特に最後の2つは,再分散性シリカゾルの製造に応用出来た(I&EC,Research,1992,31,213〜8).その概要を以下に述べる.
シリカはSiO_2の組成を持つ集合体であり,水やメタノ-ルのような極性溶剤にのみ良く分散する.その理由はシリカはその表面に親水性の官能基(SiーOH,シラノ-ル基)を多数持つからである。我々は上記の官能基を持つポリマ-(最後の2つ)とシラノ-ル基とを反応させることにより,シリカ表面をポリマ-で被覆することに成功した.その結果,その処理で得たシリカゾルは分散媒を留去しても,再度溶媒を加えると再び分散し(シリカのヒドロゾルやメタノ-ルゾルでさえ,このような再分散性を示さない),しかも極性の極めて低いベンゼンやヘキサンにも再分散し,半年を経過しても沈殿を生じることはない.シリカなどを樹脂中に混入することはしばしばなされるが,そのまま混入しても安定性が悪い.しかし上記のようなポリマ-で被覆されたシリカは,安定性が極めて良いと思われる.
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