1991 Fiscal Year Annual Research Report
キラル認識能を有する遷移金属錯体によるアミン・アミノ酸の鏡像体検出試薬の開発
Project/Area Number |
03650711
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Research Institution | Niihama National College of Technology |
Principal Investigator |
内田 章 新居浜工業高等専門学校, 一般科目, 教授 (10029043)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸部 義人 大阪大学, 工学部・応用精密化学科, 講師 (60127264)
小廣 和哉 新居浜工業高等専門学校, 一般科目, 講師 (60170370)
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Keywords | 鏡像体検出試薬 / アミン / アミノ酸 / 遷移金属錯体 / 光学活性環状配伝子 / 絶対構造 |
Research Abstract |
アミンやアミノ酸の構造の変化やその鏡像体を,認識あるいは識別する方法はあまり報造されていない。本研究では,アミンあるいはアミノ酸の鏡像体を認識あるいは識別するための試薬を開発するために,アミノ基の補促部分としての遷移金属イオンと,鏡像体を認識するためのキラルバリア-としての光学活性大環状配位子と,アミノ基の配位に伴なう金属イオンの電子状態の変化を吸収スペクトルの変化に変えるための発色団とから構成される遷移金属イオン錯体を合成し,これを用いて簡便にアミンあるいはアミノ酸の鏡像体認を識する方法と,便にこの化合物を用いて絶対構造末知の光学活性アミンあるいはアミノ酸の絶対構造を決定する方法を開拓しようとした。用いるキラルな光学活性大環状配位子として(1R,2R)ーあるいは(1S,2S)ー1,2ージフェニルー5,9,12,16ーテトラアザベンゾシクロドデカン(I)を選んだ。キラルブロックとして用いる光学活性な1,2ージフェニルー1,2ージアミノエタンをベンジルの還元的アミノ化反応と(L(+))ー酒石酸による光学分割によって合成し,これのアクリロニトルとの反応によるシアノエチル化とニトリルの還元によってN,N'ージ(シアノエチル)ー1,2ージフェニルー1,2ージアミノエタン(II)を合成した。当初の計画では,IIとロ-ジブロモベンゼンとの反応によってIを合成し,Iと各種遷移金属イオンとの醋体を合成し,光学活性なアミンあるいはアミノ酸と反応させ,その際生じる電子状態の変化を観測する予定であったが,キラルブロックの合成と分割に時間を消費したので,本年度はIIの合成にとどまった。この間,特に新たに得られた知見はない。
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[Publications] A.Uchida,et al.: "Synthesis of Optically Active Macrocyclic Ligand:1,2-Dipheryl-5,9,12,16-tetraazabenzocyclododecane." Chemistry Leter.