1991 Fiscal Year Annual Research Report
含フッ素芳香族系ポリイミド膜のガス収着・透過物性に関する研究
Project/Area Number |
03650729
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
岡本 健一 山口大学, 工学部, 教授 (20029218)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 一宏 山口大学, 工学部, 助手 (30188289)
喜多 英敏 山口大学, 工学部, 助教授 (10177826)
|
Keywords | ポリイミド / 気体分離 / 陽電子消滅 / 膜分離 / 拡散 |
Research Abstract |
1.本研究では、種々のフッソ含有芳香族系ポリイミドの無定型構造の膜について、その化学構造と気体収着・透過物性との関係を調べ、高性能な気体分離膜素材の開発を目的としたものである。 2.3,6ージアミノカルバゾ-ルと6FDAからのポリイミドは優れたCO_2透過性とCH_4およびN_2分離性を示したが、Nーアルキル置換は置換基の局所運動性のため分離性が著しく低下した。 3.ジアミノベンジジンと6FDAからのポリイミドを300℃で熱処理して閉環構造のポリピロロンにすることにより、CO_2透過性を維持したまま、分離性を著しく増加することができた。 4.今までに調べた中で、選択透過性および製膜性に優れた6FDAーメタフェニレンジアミンポリイミド非対称膜を作成した。CO_2の比透過速度が5x10^<-5>cm3(STP)/(cm・s・cmHg)そしてCH_4およびN_2に対する分離係数がそれぞれ80及び35の性能が得られた。 5.ポリイミドは、酸無水物の電子親和力に依存して、陽電子消滅の長寿命成分(oーPs)を示するものと示さないものがある。酸無水物残基の電子受容性が大きいPMDAおよびBTDAでは、おーPsの生成の抑制およびクエンチング効果が見られた。ポリイミドでのおーPs生成にスパ-モデルが適用できる。 6.oーPsから見た自由体積孔の大きさV_hと気体の拡散係数の間に良い相関関係がみられた。これは、oーPsが見ている自由体積孔のサイズが拡散に寄与できる自由体積孔のサイズに近いからと考えられる。陽電子消滅法は高分子膜のミクロ構造の研究に有効であり、今後の研究の進展が期待できる。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] 喜多 英敏: "フッ素含有ポリイミド膜の化学構造と気体選択透過性" Polymer Preprints,Japan. 40. 3404-3406 (1991)
-
[Publications] 田中 一宏: "陽電子消滅法による高分子膜の自由体積の測定" Polymer Preprints,Japan. 40. 3407-3409 (1991)
-
[Publications] 田中 一宏: "陽電子消滅分光法により測定したポリイミド膜の自由体積と透過物性の相関" Polymer Preprints,Japan. 40. 3410-3412 (1991)
-
[Publications] Kenーichi Okamoto: "Positronium Formation in Various Polyimides" J.Phys.Chem.
-
[Publications] Kenーichi Okamoto: "Correlation between Positron Annihilation and Gas Diffusion Properties of 6FDAーbased Polyimides" Bull.Chem.Soc.Jpn.