1992 Fiscal Year Annual Research Report
ポリエチレンオキサイド.ポリビニルクラウンエーテルの双極子モーメント
Project/Area Number |
03650731
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Research Institution | Tokyo Woman's Christian University |
Principal Investigator |
山口 則子 東京女子大学, 文理学部, 教授 (80015776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 真理 東京女子大学, 文理学部, 助手 (30138820)
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Keywords | 双極子モーメント / 双極子モーメント比 / 温度依存性 / 排除体積効果 / 三端子白金電極セル / ポリエチレンオキシド / クラウンエーテル / ポリビニルベンゾ-15-クラウン-5 |
Research Abstract |
1.ポリエチレンオキシドの双極子モーメント 極性高分子のコンホメーションの研究に双極子モーメントμは有用な情報を与えるが、良溶媒中で測定されたμが理想配位における値と見なせるか疑問が残されている。μ値は測定に用いた溶媒の誘電率の大きさに依存して、わずかではあるが変わるので、排除体積効果の影響を調べるために、一定溶媒でμの分子量依存性の有無を確かめた。試料は単分散ポリエチレンオキシドの分子量が4.6〜86万の5種であり、温度25〜55℃の範囲で、ベンゼン溶液の誘電率と密度を測定し、Debyeの方法によりμ値を決定した。結果はμの値は分子量によってほとんど変らず、5試料でμ=1.039±0.002(debye単位、25℃)の一致が見られ、排除体績効果はμの測定に考慮すべきほどの影響を与えないと判断された。PEO鎖の双極子モーメント比は<μ^2>/nm^2=0.47_2±0.00_2(25℃),温度係数はdln<μ^2>/dT=(1.9_4±0.2_7)×10^<-3>K^<-1>と得られた。 2.ポリビニルクラウンエーテル試料の作成と双極子モーメント Macromerの4^'-vinylbenzo-15-crown-5(I)の合成は、catecholをacetyl化してcatechol-diacetateとし、Fries転移反応により3,4-dihydroxyacetophenone(VI)を合成、VIIIに1,11-dichloro-3,6,9-trioxaundecaneを反応させ、4^'-acetobenzo-15-crown-5(VIII)を作り、VIIIの還元および脱水反応により、Iを得た。macromer Iのradical重合(開始剤ABIN,70℃,24hr)を行ない、poly(vinylbenzo-15-crown-5)を得た。双極子モーメントの測定は溶媒にbenzeneを用い、誘電率は平成3年度に作製された三端子白金電極セル(セル容量26.485pF、セル容積50ml)を用いて測定し、μ=2.2773D(25℃)、dln<μ^2>/dT=1.54×10^<-3>K^<-1>の結果を得た。
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