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1991 Fiscal Year Annual Research Report

高分子材料の機械的破壊機構に関する分子論的研究

Research Project

Project/Area Number 03650736
Research InstitutionIchimura Gakuen Junior College

Principal Investigator

坂口 真人  市邨学園短期大学, 生活文化学科, 教授 (40113328)

Keywords高分子材料 / 機械的破壊 / イオン的開裂 / スピントラップ法 / アニオンラジカル / 電子スピン共鳴法 / テトラシアノエチレン
Research Abstract

機械的な衝撃による高分子材料の破断という巨視的な破壊と、材料構成分子の化学結合の切断という微視的な破壊との相関を調べることにより、高分子材料の機械的破壊機構を分子論的に明らかにすることを目的に研究を進めている。本年度は、高分子主鎖の炭素ー炭素結合の機械的切断により、生成する化学種は均一切断による遊離基ばかりではなく、不均一切断によるイオン種も生成することを電子捕捉剤を用いたスピントラップ法を応用し、ESR法により立証することを目的に研究を遂行し、新たな知見(下記1.2.3)を得た。
1.高分子材料を機械的に破壊することにより、その構成分子の化学結合(高分子主鎖の炭素ー炭素結合)が不均一に切断し、イオン種が生成することを電子捕捉剤(TCNE)を用いたスピントラップ法を応用しESR法により検知した。
2.本年度科研費により購入した機器を用い、ESRスペクトルのシュミレ-ションを行い、結果をプロッタプリンタ-に描かせシュミレ-ションスペクトルを得た。シュミレ-ションスペクトルと実測スペクトルとを直接比較することにより、得られたスペクトルがTCNEアニオンラジカルであると同定した。これにより、高分子の機械的破壊により炭素ー炭素結合が不均一に切断しアニオンが生成すると結論した。
3.種々の高分子(PTFE,PE,PP,PVDF)の機械的破壊における主鎖の炭素ー炭素結合の切断に対する不均一切断の割合、即ちイオン収率値(PTFE;16%,PE;27%,PP;37%,PVDF;85%)を得た。炭素ー炭素結合のイオン性は炭素原子それぞれに結合した置換基の電子受容性、電子供与性に依存することを見出した。

URL: 

Published: 1993-03-16   Modified: 2016-04-21  

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