1992 Fiscal Year Annual Research Report
スター・ブロック共重合体の新合成と構造転移に関する研究
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03650741
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
石津 浩二 東京工業大学, 工学部・高分子工学科, 助教授 (90016650)
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Keywords | スター・ブロック共重合体 / 組織化重合 / 単分子ミセル / ミクロ相分離 |
Research Abstract |
本研究はマクロモノマーの重合を制御して(AB)n型およびAnBn型スター・ブロック共重合体の新規合成法を確立して、そのミセル形成、秩序ー無秩序転移、ミクロ相分離に至る過程を体系化づけることを目的とする。本年度は以下の事項を明らかにした。 1.(AB)n型スター共重合体の単分子ミセル形成 前年度に確立したジブロックマクロモノマーのミセル中でのミクログル化反応(組織化重合)より腕数nが15〜30の(AB)n型スター共重合体を調製した。この共重合体(B組成18wt1/2)の固体断面のTEM観察よりミクロ相分離構造を検討した。腕数n=15〜30の範囲では小さな球状Bドメインを示し、共重合体単分子でのコア半径に等しいことがわかった。平均場理論より推論されたweakーsegregationのスピノーダル付近で単分子ミセルを形成し、固体に至る濃縮過程でも形態が凍結され、strongーsegregation領域のミクロ相分離構造になることが明かにされた。この挙動は分岐ポリマーに一般的な現象であることを推論した。 2.AnBn型スター共重合体の合成 スチレン、イソプレン(I)、2ービニルピリジンの遂次アニオン重合より、ブロック結合点に工基を有する官能性ブロックポリマーを合成した。この共重合体を製膜し、ミクロ相分離膜をえた。このとき工基は相分離界面(厚み2nm)に凝縮配列される。この膜を一塩化イオウ、ジアジド化合物と固相状態で反応させ、工基の縮合によるゲル化反応を達成させた。生成物を溶解させることによりAnBn型スター共重合体になることを明かにした。この手法も組織化重合として位置付けることができる。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Koji Ishizu: "Synthesis of Poly(StyreneーbーtーButyl Methacrylate) Diblock Macromonomers Possessing Central Vinylbenzyl Groups" Polymer. 33. 1982-1986 (1992)
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[Publications] Koji Ishizu: "Organized Polymerization of Functional Diblock Copolymers Possessing Central Isoprene Groups" J.Polym.Sci.,Polym.Chem.Ed.(1993)
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[Publications] 行政 慎一: "スター・ブロック共重合体〔6〕ジブロック共重合体マクロモノマーのミクロゲル化反応" 高分子予稿集. 41. 377- (1992)
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[Publications] 桑原 一夫: "スター・ブロック共重合体〔7〕ブロック結合点に重合性官能基をもつ共重合体のゲル化反応によるヘテロスター合成" 高分子予稿集. 41. 375- (1992)
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[Publications] 行政 慎一: "スター・ブロック共重合体〔8〕ジブロックマクロモノマーの組織化重合による(AB)n型スター共重合体の合成" 高分子予稿集. 41. 1965- (1992)
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[Publications] 行政 慎一: "スター・ブロック共重合体〔9〕マクロモノマーの組織化重合による(AB)n型スター・ブロック共重合体合成とミクロ相分離" 高分子予稿集. 42. (1993)
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[Publications] Koji Ishizu: "StarーBlock Copolymers:OrganizedーPolymerization of Diblock Macromonomers Polymer Plastic Technology and Engineering" Marcel Dekker INC., (1993)