1992 Fiscal Year Annual Research Report
置換アセチレンと環状オレフィンの共重合による新規ポリマーの合成及び重合触媒の開発
Project/Area Number |
03650748
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
増田 俊夫 京都大学, 工学部, 助教授 (60026276)
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Keywords | メタセシス重合 / 共重合 / 置換アセチレン / フェニルアセチレン / 環状オレフィン / ノルボルネン / 遷移金属触媒 / 五塩化モリブデン |
Research Abstract |
本研究は、置換アセチレンと環状オレフィンとの共重合を試み、新規ポリマーの合成、生成ポリマーの特性と機能、重合触媒の開発などに関して知見を得ることを目的とするものである。平成4年度は3年度の研究を発展させて、さらに他のどのようなモノマーの組合せで共重合がおこるか、またどのような触媒がこの共重合に有効か、などについて検討した。以下に研究成果の要旨を述ベる。 1.フェニルアセチレンと種々のシクロオレフィンとの共重合 シクロオレフィンモノマーとして、ノルボルネン、ジメタノオクタハイドロナフタレン、デルタサイクレン、ベンゾノルボルナジエン、シクロペンテンなどを用い、フェニルアセチレンとの共重合をWcl_6-Ph_4S_nを触媒として検討した。上記シクロオレフィンのうち多環式モノマーは共重合において反応したが、シクロペンテンは反応しなかった。共重合生成物がコポリマーであることを、GPC,2次元H-H COSY NMR,紫外可視スペクトルなどにより明らかにした。シクロオレフィンの重合反応性は、環のひずみ、立体障害、二重結合上の電子密度などによって説明できることを示した。 2.共重合に有効な触媒の開発 1-クロロ-1-オクチン,1-クロロ-2-フェニルアセチレンなどの含塩素二置換アセチレンはモリブデン系触媒によって重合するが、タングステン系触媒では重合しない。ノルボルネンとこれらの含塩素二置換アセチレンとの共重合を種々の触媒を用いて検討した。その結果、Mocl_5-n-Bu_4Sn触媒が特に有効であることが明らかとなった。ノルボルネンとこれらモノマーは比較的近い反応性を示した。コポリマー生成の確認は、GPC、^<13>C NMR,紫外可視スペクトルなどにより行なった。1-クロロ-2-フェニルアセチレンの核置換基の種類と反応性の関係を検討した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] H.Makio: "Metathsis copolymerization of norbornene with phenylacetylene and its ring-substituted derivatives catalyzed by WC16.Part1.Product characterization" Polymer.
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[Publications] H.Makio: "Metathesis copolymerization of norbornene with Phenylacetylene and its ring-substituted derivatives catalyzed by WC16.Part2.Reactivity of monomers" Polymer.