1991 Fiscal Year Annual Research Report
温度感受性遺伝子組み換え酵母による有用物質生産プロセスの構築と効率化
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03650772
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
塩谷 捨明 大阪大学, 工学部, 助教授 (50026259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 浩 大阪大学, 工学部, 助手 (00226250)
菅 健一 大阪大学, 工学部, 教授 (20029250)
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Keywords | 遺伝子組み換え酵母 / 温度感受性 / ∂ーアミラ-ゼ / 酸性ホスファタ-ゼ / 比増殖速度 / 2段培養 |
Research Abstract |
本研究では,遺伝子組み換え酵母を用いた異種タンパク生産に注目し,その生産系の構築,実際の醗酵生産におけるさまざまな問題点の解明および効率的生産法の確立を目指している。本年度は,温度感受性遺伝子発現調節系を持つ酵母Saccharomyces cerevisiaeを用い次のような研究成果を得た. 1)発現ベクタ-系の構造及び異種遺伝子の導入:MF∂1プロモ-タにイネ由成∂ーアミラ-ゼ遺伝子を結合したプラスミドをPCR法を用いて構築し,酵母に導入した結果,その発現を確認できた。 2)遺伝子発現の動的挙動の解析:まず.培養温度の増殖および物質生産に及ぼす影響を酸性ホスファタ-ゼ(PH05)発現系を用い、回分・流加培着により検討した。その結果,PH05発現温度(32.5℃)では菌体増殖が抑制されたが,生産速度の著しい増加がみられた。また培養温度の27.5℃から32.5℃へのシフトによって、すみやかに導入遺伝子の発現が認められた.しかし.発現後約5時間で比生産速度の低下がみられた.これは酸性ホスファタ-ゼがペリプラズム内に蓄積されるため、何らかの抑制機構の働きによるものと思われる.更に.プラスミドの種類を1コピ-型から多コピ-型と変えて同様の実験を行なった結果,多コピ-型(YEp型)の方が発現量が多く,物質生産に適していることがわかった. 3.)効率的培養方法の確立:上記2)の結果から,遺伝子を発現させると菌体増殖速度が迎えられることがわかったので,生産物量を最大に得るためには,増殖と物質生産の適切な調和を計る必要がある.簡単なモデルを構築し.最適計算を行った結果,最初菌体増殖に適した温度で培養し.養が最適であることがわかった.またこれを実験的に確認した。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] S.Shioya: "Optimization and control for maximum production iu fedーbatch culture" Proc.of ICCAFT5/IFACB102,March 29〜April2,Keystone,Colorado.(1992)