1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03650773
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
田中 善之助 岡山大学, 工学部, 助教授 (70026053)
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Keywords | 脱灰、 / 粉体抽出、 / 石炭、 / 微粉炭 |
Research Abstract |
石炭には10〜20%の灰分や硫黄分のパイライトが含まれており、石炭の利用に際しては、それらを分離し、高品位化することが望まれている。本研究は石炭を粉砕し、比重と粒子径の両者に分布をもつ粒子群から、高品位炭を得るために乾式で安価に、かつ大量に分別するプロセスの開発を目的とする。本研究では粉体抽出操作を石炭の高品位化に適用し、省エネルギ-の乾式プロセスの開発を行った。 微粉炭では灰分の比重は石炭分のほぼ2倍あり、一方とは混ざり、他方とは混ざらない条件を持つ第3成分を加えることによって灰分などの不用成分を取り除く事が出来る。本研究ではセレホン炭について粉砕粒度と脱灰性能、分配係数を測定し、第3成分として最適な成分を求めた。 結果の概要を以下に示す。 1.石炭の前処理として灰分を分離し易い粉砕条件を明らかにした。 2.流動化粉体抽出を構成する系、即ち一方とは混ざり、他方とは混ざらないような第3成分の条件を実験的に明かにし、風速、混合比、粒子径、密度、分配係数の関係を求め、その結果より最適操作条件を明らかなった。 3.高品位炭を分離するため実験を行い、操作条件と分離効率、脱灰率、石炭回収率の関係を明らかにした。 4.連続多段操作を行い、性能の向上をはかった。 5.脱灰、脱硫率の向上のため、数十ミクロンまでの微粒化を行なった。 6.石炭分を粉体抽出するよりも、灰分を抽出する方が、乾式高品位炭分離プロセスとして性能がよいことが明らかになった。 本研究では、100ミクロン程度で灰分含有率2〜3%の微粉炭を乾式で分離できるプロセスを開発できた。
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