1991 Fiscal Year Annual Research Report
金属アルコキシドの加水分解による単分散微粒子蛍光体調製プロセス解析
Project/Area Number |
03650782
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
菅原 拓男 秋田大学, 鉱山学部, 教授 (10006679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 勝康 秋田大学, 鉱山学部, 助手 (60154457)
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Keywords | ゾルゲル法 / 微粒子蛍光体 / 酸化イットリウム・ユ-ロピウム系蛍光体 / プロセス解析 / 超音波触射 / 粉体蛍光測定 |
Research Abstract |
脱水1ーブタノ-ルに規定量のイットリウムトリイソプロポキシド(YTIP)を溶解しておき,また別の同様に脱水した1ーブタノ-ルに規定量の水及びY/Eu(原子比)を規定した硝酸ユ-ロピウム6水塩を加え溶解しておく。両液を攪拌槽中で混合すると共に超音波照射(47KHz,60W)を5h続けた。この間液温は20.5℃±0.5℃に保った。ここで1ーブタノ-ル量は両液混合後の全溶質濃度が0.01mol/lとなるように調整し、水(配位水も考慮)の全溶質に対するモル比(M)は1〜5の範囲で変化させた。W=2〜3の条件下で微粒子生成が顕著であった。反応液を遠心分離(1,500r.p.m,10min)し,得られた固体生成物を乾燥し,SEM観察すると共に,昇温速度10℃/min,最終到達温度200〜1,000℃での保持時間2hの条件で熱処理した。そして得られた粉末(焼成粉末)のX線回折、Y,EuのEDXにより定量,残存炭素量の定量を行うと共に蛍光特性を調べた。 加水分解後に得られた乾燥粉末は超微粒子の凝集体から成る,平均粒径1μm以下の微粒子であり,その単分散性は先に本研究室で得たYTIP単独の場合よりも悪い。加水分解・重合機構が両者で異っていることが伺われる。焼成粉末ペレットの254nm励起光に対する45゚反射光の紫外・可視域スペクトル分布を測定したところ,600℃以上の熱処理で得られた試料からEu^<3+>の特微的な遷移による611nmの発光スペクトルが観察された。発光強度は800℃処理の試料が最大で,587,593,599,630.5nmの小さな発光スペクトルも観測できた。本実験結果を固体中残存炭素量,X線回折ピ-ク強度の観察結果と併せ考察すると,600℃までの間にゲル状固体の熱分解がほゞ完了し,同時に蛍光体結晶の成長が始まることが伺われる。なお,原液中のY/Euを19とし,W=2の条件下で調製した場合,1000℃処理により得られた焼成粉末のY/Euは14,またW=3の場合Y/Euは10であり,焼成粉末中のY/Euに対し,Wの影響が大きいことがわかった。
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Research Products
(1 results)