1991 Fiscal Year Annual Research Report
園芸植物における自家不和合性および雑種致死性の基礎的研究
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03660003
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
池橋 宏 千葉大学, 園芸学部, 教授 (50193222)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 恵子 千葉大学, 大学院自然科学研究科, 助手 (20212839)
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Keywords | 自家不和合性 / 標識遺伝子 / 雑種致死性 / アイソザイム / 園芸植物 |
Research Abstract |
ナシの自家不和合性の研究では、花柱より抽出したタンパクの2次元泳動により、品種特異的で、花柱に大量に存在するタンパクを見いだし、その抗体作成、アミノ酸配列の決定へと進展した(一部学会発表)。しかし、このタンパク質は既知の自家不和合性との対応が不十分であった。その後RNaseの活性染色により、既知の自家不和合性遺伝子型との対応がよいRNaseをとらえた。これにより、既知の自家不和合性遺伝子、S1、S4、S5などの判別が可能となった(発表準備中)。高等植物の遺伝子がタンパクのレベルで認識された例は少なく、この結果は極めて興味深い。 capscicum属の雑種致死性については、材料の交配による準備と平行して、現象の記述を行った。致死個体と正常個体のタンパクの二次元泳動では、差異が認められなかった。 他殖性のブラシカ類とネギについてアイソザイム遺伝子座の同定を進めてきた。これまでに、ネギでは6座、ハクサイ類では12の座位を同定し、いくつかの座では複対立遺伝子を確認した。また在来種での遺伝子頻度を求めた。この結果に基づいて、他殖性野菜類の集団維持機構を推定した。各種のアイソザイム遺伝子座の対立遺伝子の頻度には、ヘテロ接合の優位性、自家授精の回避機構などよりも、むしろ過去における集団の大きさの効果が関係するものと考えられた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Furuya,Y.and H.Ikehashi: "Identification of acid phosphatase and esterase isozyme Ioci in Brassica campestris." Japan J.Breed.41. 61-71 (1991)
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[Publications] Gotoh,S.and H.Ikehashi: "Survey of Isozyme Genes by Polyacrylamide Gel Electrophoresis in Cauliflower,Broccoli and Cabbage(Brassica oleracea)." Japan J.Bread.42. (1992)
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[Publications] Haishima,M.and H.Ikehashi: "Identification of Isozyme Genes by Polyacrylamide Gel Electrophoresis in Native Varieties of Japanese Bunching Onion(Allium fistulosum)" Japan J.Breed.42. (1992)
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[Publications] 池橋 宏,古屋 義方: "ハクサイの在来品種のアイソザイム遺伝子座における対立遺伝子の頻度." 育学雑. 40別冊2. 376-377 (1990)
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[Publications] 〓島 雅之,池橋 宏: "ネギの主要在来品種におけるアイソザイム遺伝子頻度の比較調査" 育学雑. 41別冊2. 174-175 (1991)
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[Publications] 佐々 英徳,平野 久,池橋 宏: "ニホンナシの自家不和合性に関連した花柱リボヌクレア-ゼ" 育学雑. 42別冊2. (1992)
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[Publications] 安司 美根子,池橋 宏: "Brassica campestrisのアイソザイム遺伝子座の分析III." 育学雑. 42別冊2. (1992)