1991 Fiscal Year Annual Research Report
裁培バレイショと耐寒性野生種半数体との体細胞雑種の育成
Project/Area Number |
03660005
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
三十尾 修司 神戸大学, 農学部, 助手 (40112081)
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Keywords | 体細胞雑種 / 細胞融合 / 半数体 / プロトプラスト培養 / バレイショ |
Research Abstract |
1.二倍性半数体系統におけるプロトプラスト培養からの再分化法の開発 Solanum acauleの半数体(ATDHー1)系統で活性の高い葉肉プロトプラストを高収量得るためには高照度、低温でシュ-ト培養する必要があり、葉の酵素処理前培養も有効であった。改変Kikuta培地における生存率に対する培地中の最適mannitol濃度は、チヂワの二倍性半数体(CDH)では系統間でそれぞれ異なり、ATDHー1系統では0.4Mであった。また、分裂率に対する最適sucrose濃度はATDHー1系統では他の品種、系統と比べて高い傾向が認められた。Zeatin一定量添加下での最適NAA濃度は、CDH系統ではそれぞれ最適組合せが異なった。一方,ATDHー1系統ではより高濃度のNAAと2,4ーDを必要とした。 2.体細胞雑種の育成及び再分化系統の雑種同定と特性比較 両半数体系統のプロトプラストを0.4M mannitol,2.5mM CaCl_2を含む液に3x10^5個/mlとなるように同数比で懸濁し,電界強度150v/cm,周波数1MHzの高周波電界,および電界強度1750v/cm,パレス幅50μsの高電圧パルスを印加して電気融合を行なった。融合処理後,5x10^4/mlの密度に調整し,改変Kikuta培地で暗黒下,25℃で培養した。2週間目に同組成培地(0.2M mannitol)で希釈し,さらに1ヶ月後新しい培地で希釈して培養を続けたところ,多数のコロニ-が形成された。形成されたコロニ-は0.5mg/1 BAP,0.1mg/1 NAAを含むMS半固形培地でカルス増殖し、1mg/1 zeatin,0.1mg/1 IAA,0.1mg/1 GA_3を含む再分化培地に移植したところ,8個のカルスから16個体の植物体を得た。 これらの植物体は7個体が四倍体,4個体が六倍体,2個体が八倍体,そして3個体が四倍体の異数体であった。3種のアイソザイムによって雑種の同定を行なったところ,16個体中10個体が両親のバンドを合わせ持つ体細胞雑種であることが判った。また葉緑体DNAを調査したところ,雑種10個体の内,1個体のみがCDH系統と同じWタイプで,残りの9個体はすべてATDHー1系統と同じCタイプであった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 三十尾 修司: "ニゲノム性半数体を利用した栽培バレイショとSolanum acaule間の体細胞雑種育成" 第12回植物組織培養学会大学・シンポジウム講演要旨集. 84-84 (1991)
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[Publications] 三十尾 修司: "Solanum acauleの葯培養における花粉カルス形成に関わる要因" 神戸大学農学部研究報告. 20. (1992)
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[Publications] Misoo Shuji: "Induction of tetraploid somatic hybrids between dihaploid lines of cultivated potato and S.acaule." Japanese Journal of Breeding.