1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03660013
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田代 亨 名古屋大学, 農学部, 助手 (00109315)
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Keywords | イネ / 品質 / 貯蔵性 / 種子寿命 / 品種・系統間差異 / 種子形質 / 胚乳形質 |
Research Abstract |
1.栽培イネの種子寿命の品種間差異を検討し、併せて種子形質との相関を求めた。(1).品種群と種子寿命との関係:種子寿命はインド型品種が最も長く、ジャバ型、日本型の順に減じた。インド型では品種群間の変異が大きく、原産地により大別するとIR系統のフィリピン産品種群やAUS・BORO系統のインド・スリランカ産品種群は優れ、日本型の陸稲に似た大粒種である中国北部系の品種群は劣った。日本型品種では、陸稲品種は水稲品種より長命であった。また水稲品種では早生種が最も長く、次いで中生種、晩生種は3ケ月目の値でみると早生種の3分の1程度であった。(2).平衡水分と種子寿命との関係:吸湿と放湿との差、いわゆる履歴効果による平衡水分値の差を求めて種子寿命との関係を求めた。種子寿命は平衡水分値の差が小さい品種群ほど種子寿命は優れることを認めた。 2.胚乳形質突然変異系統の種子寿命を検討し、併せて胚乳形質との関係を求めた。(1).胚乳形質と種子寿命との関係:うるち系統内では、母本種及びdull系統が最も種子寿命が長く、次いで心白系統,粉質・巨大胚の両系統は短く母本種のほぼ半分であった。(2).米粒比重と種子寿命との関係:米粒比重が低い系統ほど種子寿命が短かった。Porousな白色不透明部を持つ心白及び粉質の両系統は発芽能力の喪失が速いと解釈される。巨大胚系統の種子寿命は心白系統のものに比較して劣った。巨大胚系統の胚乳充実度は心白系統に比へ一層良好である。このことは、胚の大きさも種子寿命に少なからず影響することを示唆するものであった。(3).種子休眠性と種子寿命との関係:うるち系統内では、母本種及びdull系統は種子の休暇度、寿命ともに大きい群に属した。粉質・巨大胚の両系統は種子の寿命、休暇性ともに小さい群、心白系統は種子の寿命が比較的に大きいが、休暇度は、弱い群にそれぞれ区分された。また、もち系統はdull系統と粉質系統の中間に位置付れられた。
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