1991 Fiscal Year Annual Research Report
水稲の節位別・次位別分げつの子実生産力に関する研究
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03660015
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
山本 由徳 高知大学, 農学部, 教授 (00093956)
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Keywords | 水稲 / 1次分げつの抑制 / 1次分げつ出現時期 / 主稈の節位別・次位別精籾収量 / 精籾収量 / 収量構成要素 |
Research Abstract |
草型を異にする日本稲2品種[黄金錦(穂重型)、中生新千本(穂数型)]、および日印交雑稲(水原258号)、半矮性インド稲(IR36)、長稈インド稲(タズカン)各1品種を供試し、5月下旬に稚苗を約1/1000aポットに4株(1株1本植)移植した。そして、各品種について対照(無処理、C)区と主稈の第5節、第8節、第11節分げつ(1次分げつ)までを除去する区(それぞれI、II、III区、各区2ポット)の4区を設け、主稈、1次分げつおよび株当りの一般的な生育調査を定期的に行った。また、1次分げつの出現日と止葉展開日、出穂日等を調査した。穂揃期以降に、一部の品種について処理に伴う生理的変化を知るために止葉および止葉下2枚目の葉身の葉緑素含有量(SPAD値)を測定するとともに、光合成速度を測定した。成熟期には各品種の全株を抜き取り、主稈の節位別・次位別分げつの収量と収量構成要素を調査した。【結果】(1)処理に伴う分げつ抑制期間はI、II、III区でそれぞれ14.0〜15.4、23.7〜27.8、33.3〜40.0日であり、1次分げつ出現節位はC区の2(3)〜8節に対して、I、II、III区ではそれぞれ6〜13、9〜15、12〜17節であった。分げつ抑制期間の長さに応じて各品種とも出穂期は遅延したが、その程度は分げつの抑制期間にくべて短かった。(2)分げつ抑制期間が長いほど穂揃期後の葉身の葉緑素含有量が高く、光合成速度も高く推移した。(3)分げつ抑制期間が長くなるに伴い最高分げつ数、穂数は少なくなった。しかし、一穂籾数は増加する傾向にあり、株当り籾数の処理間差は穂数にくらべて小さく、タズカンのI区、IR36のI〜III区ではC区を凌駕した。また、登熟歩合はタズカンを除き、分げつ抑制期間の長い区ほど優る傾向があり、株当り精籾収量はタズカン、黄金錦ではI区、IR36ではII区、水原258号と中生新千本ではIII区で最大となり、籾/わら比もC区を上回った。
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