Research Abstract |
穂数型品種中生新千本(N)と穂重型品種黄金錦(K)を供試し,葉齢約4.5の中苗を5月上旬(作(1)),5月下旬(作(2)),6月中旬(作(3))の3作期にわたって,約1/1000aポットに1株1本値で4株移値した.そして、両品種とも各作期で無処理区(C区)と1次分げつを第5,8,11節まで除去する区(分I,分II,分III区)の4区を設け,移植後一定節位まで1次分げつを除去し,分げつ確保節位を変動させた場合の生育と収量への影響を作期移動と関連させて検討した. 【結果】両品種のC区の初発分げつ(第3節分げつ)日は作期により移植後 4.3〜6.0日目(N),5.1〜7.6日目(K)であり,各処理区の残存最下位節分げつ出現日は,作期が遅いほど短く,分I区14〜20日目(C区の分げつ初期),分II区26〜34日目(同分げつ盛期),分III区36〜52日目(同最高分げつ期)となった.両品種の各作期の主稈葉数は分III>分II>分I>C区の順に多くなり,1次分げつ節位は,C区第2〜9節,分I区第6〜11節,分II区第9〜15節,分III区第12〜17節となり,1次分げつ数はC区に比べ1〜3本少なくなった.また,移動日から出穂期・成熟期迄日数は,分III>分II>分I>C区の順に作期が早いほど長くなったが,初発分げつ日〜出穂期迄日数はNで84〜42日,Kで83〜33日と逆に分III>分II>分I>C区の順に作期が遅いほど短くなった.最高分げつ数と穂数は,両品種とも作期の早いほどC>分I>分II>分III区の順に多くなった.一方,1穂重はKの作(3)分III区を除き,両品種とも各処理区がC区と同等かそれ以上の値を示し,特にKに比べNで著しかった.株当り穂重は,主として穂数に支配され両品種とも作期の遅いほど,また分げつ除去期間の長いほど劣る傾向にあったが,この程度はK>Nであり,Nの分I区はC区と同等かわずかに増加した.
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