1992 Fiscal Year Annual Research Report
各種糖エステル利用による青果物の低温障害防除法について
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03660019
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
邨田 卓夫 静岡大学, 農学部, 教授 (80022044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山脇 和樹 静岡大学, 農学部, 助手 (40191465)
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Keywords | 低温障害防除 / 糖エステル / バナナ |
Research Abstract |
バナナの低温障害発生に対するショ糖脂肪酸エステルの効果を調べる目的で、むろ処理前・後の緑熟バナナ“Delmonte"とむろ処理後の黄熟バナナ(Dole,ENANO)をM-1695,P-1695,S-1695,O-1570のの糖エステルで処理し、5℃で3日間低温処理した後20℃に移して、低温障害の発生、果実の生理、品質について調べた。 1.バナナの低温障害の発生は、緑熟果でも黄熟果でも、5℃下より20℃に移した後により強く発生したが、この低温障害の発生の進展は、ショ糖脂肪酸エステル処理で軽減できた。なかでもM-1695処理が最も効果的であった。 2.この黄熟バナナを用いて官能検査を行った結果、外観評点はDoleバナナではM-1695区とP-1695区が秀れ、味覚評価ではM-1695区が秀れた。ENANOバナナでも、外観品質はM-1695処理区が秀れ、無処理対照区が劣ったが、味覚についてはP-1695区とO-1570区が秀れた。 3.呼吸、エチレン生成とも、5℃で低下し、20℃に移した後次第に増加していき、果実がclimacteric riseに達した後、呼吸、エチレンとも急増した。この変化は処理区、無処理区の区間の差は明らかでなかった。 4.呼吸に対するショ糖脂肪酸エステルの影響は、ナス、ピーマン、トマトなどの野菜の場合は明らかで、低温による呼吸の落ち込みがL-1695,M-1695,P-1695の糖エステル処理によって抑制され、この傾向は組織切片やカルスの場合でも認められた。 このように低温障害発生の軽減に、糖エステル処理が有効であることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Murata Takao and Yamawaki Kazuki: "Alleviuation of chilling injury of punkan during and after low temperature guarantine treatment by using sucrose fatty acid eslers." Hort Science. 27.6. 191- (1992)
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[Publications] 山脇 和樹.渡辺 良.児下 佳子.内藤 圭子.邨田 卓夫: "ショ糖脂肪酸エステルが果実・野菜の低温感受性に及ぼす影響" 日本植物生理学会.