1991 Fiscal Year Annual Research Report
沿海埋立造成地の緑化と植生の維持管理手法の確立について
Project/Area Number |
03660027
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
吉田 重幸 香川大学, 農学部, 教授 (00035982)
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Keywords | 埋立地 / 環境緑化 / 対塩性 / 土壌改良 |
Research Abstract |
今年度は研究当初年であり,試験地に試に供試用樹苗としてクロマツ,シャリンバイ,トベラ,マテバシイ,ネズミモチ,ヤマモモ,サンゴジュ,ハマヒサカキ等8種の緑化樹を植栽して,それぞれ沿海埋立地の特異環境下での生育特性を葉緑素量と葉温との関係で活性を計測中である。ことに植栽地に対して土壌改良剤混入区に於いて,その生育に特異な差が見られ,土壌改良と除塩の効果が見られた。特異な環境であればある程土壌改良の効果が明らかであることが判った。しかし,平成3年度に襲来した19号台風により生長の旺勢な個体程海塩の飛来により決定的な塩害発生を見るに至った。現在供試樹に現れた被害の回復手法を目下検討中であり,今後,この種の台風等による植栽木への海塩による被害発生防止策をまとめることが重要な調査研究項目と位置づけて実地試験を実施することになる。なお,平成3年度に於いては主として次の各項について実地調査を実施し,平成4年度以後に於いても継続することとなる。1,当初計画通り国立公園区域及び周辺自然林地の土壌環境調査即ち土壌の三相組成,表層土壌の安定能.2,海底ヘドロ埋立地に対する除塩方策と有機系改良剤の有効性について.3,各供試樹苗の海塩による被害程度別植生回復調査、4,赤外温度計による樹温と活勢並びに地表温度との関係について. 以上平成3年度は年度途中で予想外の台風による海塩被害に見舞れたため植生回復手法と被害軽減のための維持管理手法も併せて目下実験中である。また,供試木の活勢調査と簡易クロロフィル計を使用して生育期と生育休止期にそれぞれ継続的に調査中で今後も定期的に計測し,樹木の活力度について何らかの対応指針を明らかにする。さらに海風により持ち込まれる海塩量の実態を定期的に計測し樹苗の維持管理手法を確立することとする.
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