1992 Fiscal Year Annual Research Report
沿海埋立造成地の緑化と植生の維持管理手法の確立について
Project/Area Number |
03660027
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
吉田 重幸 香川大学, 農学部, 教授 (00035982)
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Keywords | 埋立地 / 環境緑化 / 対塩性 / 土壌改良 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、試験植栽してあるクロマツ他5樹種(平成3年度台風被害で2樹種は計測不能となる)について、当初計画どおり葉緑素計を用いて葉緑素量及び簡易放射温度計を使用して、葉温を経時的に測り、沿海埋立地という特異な環境条件下での供試樹の活勢を調ベ、経年生長量を前年に引継ぎ計測した。 当該埋立地の様な特異な環境条件での植栽で、最も重要な解決点は植栽地の土壊条件であることがいまゝでの調査研究で明らかになった。そこでの対応策として、一番効果的であったことは、有機系改良剤に添加剤として高分子吸湿剤(土壊水分の保特能の増大に効果的である)の施用が有効であることが明らかとなった。一方、平成3年度に襲来した19号台風による供試樹の被害回復手法については、海塩風による着葉の被害面積率が30%以下程度の場合には、自然回復が十分に見込るも、海塩風被害が30%以上に達している様な個体は、今までの実験からアスコルビン酸2000PPM程度の溶液と尿素2%溶液の葉面散布が効果的であった。即ち、被害発生直後と冬期の終りに、被害樹全体に日没後か、早朝に同溶液の散布が適格な効果が見込るため、目下植栽木の被害回復の現況調査中である。たゞ今年度は比較的温暖な気温のため早期に、結果が現らわれるものと期待している。 一方、当初計画通り国立公園区域及び周辺海岸林地の土壊環境調査を実施するとともに、主要景観木、即ち後継樹の自然発生状態を経時的に調ベることとして、クロマツ後継樹の自然発生と、その消長について定期的に観察し、一方で天然下種量についてリタートラップのランダムな設置で、経年的な調査を行い、稚苗の消長を明確にすることが出来た。以上のことについて総合的に考察し、次年度も調査して、樹苗の特殊環境林地における撫育管理手法を確立する。
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