1991 Fiscal Year Annual Research Report
カット野菜用鮮度保持剤の開発とその利用に関する研究
Project/Area Number |
03660029
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
藤田 修二 佐賀大学, 農学部, 助教授 (90039339)
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Keywords | カット野菜 / 鮮度保持態 / ダイコン / ポリフェノ-ル酸化酵素 / ポリフェノ-ル酸化酵素インヒビタ- |
Research Abstract |
カット野菜の品質保持,特にその切断面の酵素的褐変の防止を目的として,ポリフェノ-ル酸化酵素(PPO)インヒビタ-の精製とその利用に関する基礎的実験を行った。さきに、ダイコンの抽出液が高いPPOインヒビタ-活性を有することを認めたので本年度はこのインヒビタ-の精製を試み,以下の成果を得た。すなわち,ダイコン抽出液中のタンパク質を加熱変性により,また色素等を酢酸エチルにより除去した試料液についてセファデックスGー25によるゲル濾過を行ったところ,低分子画分にPPOインヒビタ-の存在が認められた。このインヒビタ-の更なる精製にはシリカゲルC_<18>を用いる逆相クロマトが有効であり,メタノ-ル酢酸を展開溶媒とすることによりインヒビタ-をかなり部分精製できた。次に,このインヒビタ-画分についてブタノ-ル酢酸系の展開溶媒で薄層クロマト(シリカゲルG使用)を行うことにより,2個のインヒビタ-画分(A及びB)を得ることができた。しかし,HPLCの結果それぞれの画分にはまだ2、3の成分の存在が認められた。そこで今回は阻害活性に高かったA画分を集め,さらにヘキサンを主溶媒とする薄層クロマトを行った。その結果Rf値の異なる3個の高度に部分精製されたインヒビタ-画分が得られた。それぞれの画分はレタスPPOを拮抗的に阻害する事が認められた。またこれら画分はいずれも270nm付近に吸収のピ-クを示し,塩化鉄反応には陽性であったが,ニンヒドリン反応やバニリン塩酸反応には陰性であった。従って,このインヒビタ-の本体はかなり低分子の一種のポリフェノ-ル化合物と考えられる。現在,この画分の均一性の確認とその本体についてさらに追究している。
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