1992 Fiscal Year Annual Research Report
ロードデンドロン属(ツツジ・シャクナゲ類)における遠縁交雑と倍数性育種
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03660030
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
有隅 健一 鹿児島大学, 農学部, 教授 (40035100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂田 祐介 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (70041671)
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Keywords | Rhododendron属 / 遠縁支配 / 交雑親和性 / 倍数体化 / 無菌培養系 / 花色 / コルセミド処理 |
Research Abstract |
平成4年度は前年度の遠縁交雑のなかで、親和性が高く特に有望と考えられた組合わせに重点を置いて、交雑を行った。総交雑花数は4118花であった。その結果は前年度とほぼ同様で実生がえられたのはHymenanthes亜属(以下Hym)×Rhododendron亜属Rhododendron節(以下Rhod)、Hym×Pentanthera亜属Pentanthera節(以下Pent)及びTsustsutsi亜属Tsutsutsi節(以下Tsut)×Pentの3組合わせで、Rhod×Hym及びRhod×Pentは結〓をしないか、結〓をし種子がえられても発芽しなかった。一方Rhod節内での遠縁交雑で特に問題となったのはブルー系の花色を狙った交雑で、耐暑性の育種素材として優れた素材がない点であったが、新しく導入した品種青嵐が特に花粉親として広い親和性を持ち、実生の生育もよいことが判明した。またブルー系の育種では花色の上では一歩後退するものの、ピンク系に非常に丈夫なものがあるので、これらを素材として新しくピンク×ブルー(及びその逆)の交雑を行ったが、予期した通りその実生は丈夫で、多数の優れた中間育種素材がえられるものと期待している。 次に倍数体化に関しては無菌培養条件の検討を行い、初代培養の外植体は必ずしも生長点そのものでなくとも、芽鱗を数枚はがした腋芽でも十分に使用に耐えること、zeatin1.0〜2.0mg・l^<-1>添加のAnderson培地で生長率が高いことを明らかにするとともに、継代培養ではzeatin2.0〜5.0mg・l^<-1>添加の修正Andersonは培地でシュートの増殖率が高いことを明らかにした。なお、0.05%3〜5日のコルセミド処理で培化個体と考えられる異常個体が出現したことは、昨年度の総括で述べた通りであるが、これらについては現在無菌培養系より取り出して馴化を行っているところで、近く染色体数の検定に入りうるものと考えている。
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