1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03660033
|
Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
新居 直祐 名城大学, 農学部, 助教授 (30103261)
|
Keywords | クロロフィル / 葉緑体 / デンプン蓄積 / 光合成速度 |
Research Abstract |
モモ、ブドウ、ウンシュウミカンについて以下の項目を検討した。 1.着果程度の相違による影響。光合成速度の変化を果実発育段階に対応して検討した結果、果実成熟期において着果樹葉は無着果樹葉より光合成速度が高いことを確認した。葉のクロロフィル含量は着果樹葉で高かった。葉のクロロフィル含量の低い無着果樹葉では葉緑体のデンプン粒が大きく、その結果チラコイド層が顕著に減少した。なお、着果葉の根の発達は劣り、デンプン蓄積程度は低かった。モモ、ブドウでは果実現収獲後、根の成長とデンプン蓄積が活発化したが、ウンシュウミカンではそのような傾向は見られなかった。 2.環状はく皮処理による影響。環状はく皮によって葉は緑色程度が低下し、クロロフィル含量が減少した。これと対応して葉緑体中のデンプン蓄積が増大し、葉緑体核は、DAPI染色法により葉緑体の周辺部に分布する傾向が観察された。シンク活性の強い果実が存在すると葉の黄色化は見られず、葉緑体中のデンプン蓄積も無着果枝より少なかった。また無着果枝葉の光合成速度は、環状はく皮処理1週関後で光補償点以下となった。 3.チッソ施肥量の影響。無チッソ樹では葉は小さく、緑色は劣り、葉のクロロフィル含量は低かった。これに対してチッソ量が増加するにつれて、葉面積は拡大し、クロロフィル含量は増加した。葉の光合成速度は無チッソ樹で低かった。葉緑体のデンプン蓄積は低チッソ樹ほど高く、とくに無チッソ樹では葉緑体中に充満して、チラコイド層は極端に少なくなった。 4.イチジクとモモ葉の緑化と労化過程について、Rubisco活性とコロイド金プロ-ブを用いたポストエンベディング法により検討中である。
|