1991 Fiscal Year Annual Research Report
エンバク冠さび液における品種特異的抵抗性遺伝子発現の分子機構に関する研究
Project/Area Number |
03660044
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
真山 滋志 神戸大学, 農学部, 助教授 (00112251)
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Keywords | 植物病害抵抗性 / さび病 / ファイトアレキシン / 抵抗性遺伝子発現 / エリシタ- / ビクトリン |
Research Abstract |
エンバク冠さび病抵抗性遺伝子Pcー2は冠さび菌に抵抗性を示すばかりでなく,宿主特異的毒素ビクトリンに感受性を示す。また,低分子で化学構造も明らかなビクトリンはエンバクのファイトアレキシン・アベナルミンの生成誘導をする特異的エリシタ-としての作用をもつ。したがって,エリシタ-・ビクトリンによるアベナルミンの生成誘導はエンバク冠さび病の抵抗性発現機構の分子レベルでの解明のモデルシステムとして有効である。本研究では,ビクトリンによるアベナルミン生成を伴うPcー2遺伝子の発現制御機構を遺伝子工学的技術を用いて解明するものである。 本年度は,まず,Pcー2遺伝子保有エンバクIowa×469品種のゲノミックライブラリ-をλEML3で作成し,5.2×107ヶの組換え率を示すファ-ジを確認した。このゲノミックDNAとビクトリン処理時のpolyーA RNAとハイブリダイゼ-ションしたところ,70回以上くり返りしが,特異的RNAは検出できなかった。本年度は引き続いてpolyーA RNAよりCーDNAを作成し,それをdiffernfical Sereening法に用い活性化されるnRNAを検出する予定である。 一方,既知のダイズ由来,フェン-ルアラニン、アンモニアリア-ゼ(PAC),カルコンシンタ-ゼ(CHS),およびカルコンイソメラ-ゼ(CMZ)のcDNAとビクトリン処理時のpolyーAmRNAとハイブリダイゼ-ションしたところ,PALcDNAと結合するスポットがアベナルミンの蓄積と呼応して認められ,エンバクのPALが活性化されていることが示唆された。しかし,アベナルミンの生合成系に関与しない,CHSとCHIのcDNAとは結合するスポットは認められなかった。このことは,アベナルミンの生合成系に関与する酵素とも一致する結果であり,エンバクのストレス化合物としてアベナルミンが主要するものであることが確認された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 真山 滋志: "Potential Elicitors for Auenalumin Accumulation in Oat leaves" 日本植物病理学会報. 57. 688-695 (1991)
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[Publications] 真山 滋志: "ファイトアレキシンに関する研究とその病害防除への貢献" 植物防疫. 45. 38-42 (1991)
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[Publications] 真山 滋志: "Association between avenalumin accumulation,infection by phae and infection type in Oat leaves segregating for resistance to Puccinia coronata f.sp.avenae race 226" Physiological and molecular Plant Pathology. (1992)
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[Publications] 真山 滋志: Physiological and m.lecular Plant Pathology. (1992)