1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03660048
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
高田 肇 京都府立大学, 農学部, 教授 (00046484)
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Keywords | ワタアブラムシ / クロ-ン / 殺虫剤抵抗性 / 電気泳動 / エステラ-ゼ / 光周反応 / 生活環 / 遺伝的変異 |
Research Abstract |
近年ワタアブラムシの殺虫剤抵抗性が問題となっている。これまでの研究の結果、有機リン剤に対する抵抗性とエステラ-ゼ活性との間には、高い相関のあることがわかっている。本研究の目的は、本種の野外個体群の遺伝的構造とその動態、特にエステラ-ゼ活性の高いクロ-ン(Tー1)の動向、を明らかにすることである。 〔標本〕京都府大農場の5種作物(農薬無散布)から6・8・10月に合計94クロ-ン、京都上賀茂の2種作物(慣行栽培)から8月に32クロ-ン。札幌市の4種作物(慣行栽培)ならびに美唄市のクロウメモドキ・ムクゲから8月に合計56クロ-ン。沖縄本島各地の9種作作物(慣行栽培)及びヒビスカス属の3種植物から11月に合計51クロ-ン。〔エステラ-ゼ活性〕全標本について、電気泳動法によりエステラ-ゼを検出し(基質:1ーナフチルアセテ-ト)、Tー1など7型に類別した。〔光周反応〕京都産18、北海道産20、沖縄産13クロ-ンについて、短日条件(10L14D、18℃)で飼育し両性型産出能力を調べた。 〔主要結果〕(1)(京都)Tー1型クロ-ンの構成比率は、無散布圃場のキュウリでは33%(6月)と90%(8月)、ナス・サトイモでは平均それぞれ18%、13%、ジャガイモ・オクラでは0%であった。慣行栽培圃場ではTー1型はキュウリで100%、ナスで67%を占めた。供試したTー1型7クロ-ンのうち、完全生活環型は2、非完全生活環型は5クロ-ンであった。(2)(北海道)Tー1型の比率はウリ科作物(91%)だけではなく、ナス(63%)・ジャガイモ(67%)でも高かった。これらの植物からのTー1型の10クロ-ンは、いずれも非完全生活環型であった。(3)(沖縄)Tー1型の比率はウリ科作物で低く(9%)、サトイモで高かった(87%)。ナスでは20%。〔注目点〕(1)ウリ科作物とナスのTー1型は消化管酵素が異なる。(2)北海道夏期の主要個体群は飛来虫起源?(3)沖縄個体群は特異。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 高田 肇: "ワタアブラムシの生物学ー研究の現況と展望(1),(2)" 植物防疫. 46. 127-132 (1992)
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[Publications] TAKADA HAJIMU: "Genotypic composition of Japanese populations of Aphis gossypii"