1991 Fiscal Year Annual Research Report
オドントグロッサム・リングスポット・ウィルスの外被タンパク質遺伝子の同定
Project/Area Number |
03660049
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
池上 正人 東京農業大学, 農学部, 教授 (00151275)
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Keywords | オドントグロッサム・リングスポット・ウイルス / タバモウイルス / クロ-ニング / 外被タンパク質遺伝子 / 発現ベクタ- |
Research Abstract |
オドントグロッサム・リングスポット・ウィルス(ORSV)はラン科植物の多種属にわたって感染し、ラン栽培に大きな被害を与えているウィルスの1つである。我々は組換えDNA技術を用いてORSV外被タンパク質遺伝子をランに導入・発現させることにより、ORSV耐病性のランを作出する目的で研究を進めている。本年度は、先ず、ORSVRNAのクロ-ニングと塩基配列の決定および外被タンパク質遺伝子の同定を目的に実験を行なった。 ORSV RNAを大腸菌ベクタ-PUC119にクロ-ニングし、RNAの3末端から5997塩基をジデオキシ法により決定した。この塩基上には912塩基および477塩基からなる二つのオ-プン・リ-ディング・フレ-ム(ORF1とORF2)が存在し,この二つのORFのうち、3末端側に位置するORF2が外被タンパク質遺伝子であることを明らかにした。すなわち、ORF2を含むrestriction fragmentを発現ベクタ-pkk223ー3に連絡して大腸菌JM109に移入し、得られた組換え体をpBORCPDー83と命名した。pBORCPDー83を培養後,全タンパク質を抽出して12%SDSーポリアクリルアミドゲル電気永動法により解析したところ、コマシ-ブリリアントブルーR250で染色されるが、pBORCPDー83をもたない大腸菌から抽出されたタンパク質には見られない、17kDaのタンパク質が検出された。さらにこのタンパク質はウエスタン・ブロッティング法により、抗ORSV血清と反応した。このORF2の塩基配列をアミノ酸配列に置換して、TMV(Vulgare)の外被タンパク質のアミノ酸配列と比較したところ、84%の相同性がみられた。
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Research Products
(1 results)