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1991 Fiscal Year Annual Research Report

カイコの消化・吸収の分子機構

Research Project

Project/Area Number 03660055
Research InstitutionKyoto Institute of Technology

Principal Investigator

角田 素行  京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (50127164)

Keywords消化 / 吸収 / 炭水化物 / 中腸組織 / 分子機構 / カイコ
Research Abstract

1.カイコの5齢幼虫の中腸組織の膜結合型蔗糖分解酵素の機能様式を明らかにするために、
(1)膜結合型蔗糖分解酵素の活性化剤と阻害剤を探索したところ、二糖分解酵素に効果が認められている試薬のうち、トリス、トリシンならびにデオキシノジリマイシンが活性阻害作用を示すことが分かった。活性化剤は未だ見つかっていない。種々の金属イオンの効果を次に調査したところ、調査したほとんどすべての金属イオンが阻害作用を示すことが明らかになった。
(2)絶食したカイコに一定濃度の蔗糖液のみを経口投与する、あるいは蔗糖液と活性阻害剤としての金属イオンを同時に経口投与し、それ以後経時的に脂肪体中のグリコ-ゲン含量を測定したところ、活性阻害剤の共存により脂肪体のグリコ-ゲン含量が有意に減少することが明かとなった。従って膜結合型酵素は経口投与した蔗糖の中腸内腔での分解に関与しているものと推察された。
(3)カイコ5齢幼虫より中腸組織を解剖して取り出し、中腸内腔に蔗糖液を入れた後に両端を縛ったものを、緩衝液中に一定時間保温し、中腸内腔と中腸外液中の遊離糖をインスタント薄層クロマトグラフィ-によって展開分離した後、各糖部分を定量したところ、中腸内腔には蔗糖に加えてブドウ糖と果糖が同定された。中腸外液にはブドウ糖と果糖が同定された。また予想外のことであったが、蔗糖の存在が確認された。この試験管内の実験に於ける観察が生体内の現象を反映しているか否かを今後見きわめる実験を行なう必要がある。
2.カイコの5齢幼虫の中腸細胞中の3種類の可溶型蔗糖分解酵素の生理学的役割を明かにする実験は現在実施中である。
3.カイコの5齢幼虫の中腸細胞中の3種類の可溶型蔗糖分解酵素のうち、主要な活性を示すPeakII酵素を完全精製する方法を確立した。現在精製の規模を拡大して精製酵素をmgオ-ダ-で集め抗体を作製し、遺伝子をクロ-ニングするための準備を行なっている。

URL: 

Published: 1993-03-15   Modified: 2016-04-21  

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